辺野古への基地建設に伴う国の環境アセスの方法書に対し、仲井真知事は21日、知事意見を提出しました。方法書の書き直しを求めていますが、アセスの手続き自体は着実に進めたい考えです。
県は21日、沖縄防衛局を訪れ、国の環境アセスの方法書に対する知事意見を提出しました。知事意見では、県の環境影響評価審査会の答申を踏まえ、事業内容や具体的建設位置、環境アセスの手法、またウミガメやジュゴンの生態系の調査などを詳細に調査し、報告するよう求めています。そしてこれらの項目について、改めて書き直す必要があるとしています。
知事意見提出後に県が開いた記者会見で、知念建次文化環境部長は「審査会の答申を勘案すると、書き直しという表現を入れるほうが妥当だ」と説明しました。しかし、「法律の用件は満たしているというなので、手続きのやり直しをさせるということは出来ないと考えている」と述べ、今後、国からの追加提出を受けてアセスの手続きを進める考えを示しました。
沖縄防衛局では追加提出を済ませた後、来月の2月にも環境アセスの方法書に基づく辺野古での調査に入ると見られます。
岸本記者です。まず、どういった知事意見の内容だったんでしょうか
岸本記者「きょう提出した知事意見の中では、まず審査会が指摘したように、方法書の内容が十分でないので、知事意見も出しにくいということ、だから書き直しをして下さいとはっきりと要求しました。そして今回は基地建設のために使う作業現場のことや埋め立て用の土砂の調達方法も具体的に示しなさいと要求しています」
でも知事は方法書の書き直しは求めるけど、「一からのやり直し」は要求しないんですよね。
岸本記者「そうです。審査会は方法書のやり直しを明確に求めましたが、知事は『はっきりしない内容をもっと詳しく追加説明してから、調査に入りなさい』という立場で、つまり防衛省が進めてきた手続きに待ったをかけるものではないんです」
知事はきょう、その追加説明さえあれば来月の調査開始を認める発言もしています。
仲井真知事「(方法書の)書き直しが早いと2月にも間に合うんじゃないでしょうか。まだきょうは1月21日でしょ。早く、審査会の先生方がいっておられるのに近い内容に(方法書を)きちっと整理整頓して書き直しして」
では膨大な方法書の追加が文章で出ても、一般の人から意見を聞く公告縦覧はもうやらないということなのでしょうか。
岸本記者「手続きを一からやり直すのであれば、当然公告縦覧も法の趣旨からして当然やり直すべきですが、仲井真知事はあと2、3回審査会を開いて、調査に対する県の意見をしっかりと伝えて防衛省が調査に入ればよいと言っています。それは環境影響評価法の『大きな事業の変更があった場合には、方法書の前の手続きに戻らなくてはならない』という部分には当たらないと言う防衛局の立場に近い判断をしたためで、審査会への追加説明という形で決着しようとしている訳です」
それでは今後はその追加説明と2、3回の審査さえ済めば、来月にも本調査が始まるんでしょうか?
岸本記者「仲井真知事も辺野古への基地建設を認める立場ですから、きょうのインタビューでも方法書の問題をクリアして早く調査に入ってほしいという気持ちさえ感じられました。来月7日には東京で普天間移設協議会が開かれますけども、そこで正式に審査会から本調査へという流れを容認する姿勢を政府に伝えることになると思います」