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2月参議院補欠選挙

島尻安伊子さん「台所から政治を変える。もっとよりよい暮らしへ」

狩俣吉正さん「格差の拡大をとめる。格差をなくす」

参議院議員糸数慶子さんの知事選出馬に伴い行われた補欠選挙。与党は民主党を離党した那覇市議会議員の島尻安伊子さんを擁立。対する野党は連合沖縄会長の狩俣吉正さんを担ぎ、激しい選挙戦を展開しました。

島尻安伊子さん「今日は赤いエプロン隊の皆さんと一緒に皆様の下に参りました。台所から政治を変える。まさに今、台所の知恵が社会問題解決の糸口だと思っております」

知名度の低い島尻さん陣営は、女性、母親というイメージを全面に出し、エプロン姿で女性層にアピール。加えて当時の安倍晋三総理や中央から多くの国会議員が支援に入り、運動を盛り上げました。

安倍晋三総理(当時)「民主党は、野党は格差だ、なんだと文句ばかし言っています。皆さんこんな政党に日本を沖縄を任せていいんですか」

小沢一郎民主党代表「自民党公明党政権の下で弱者切捨て、地方切捨て平然とそういう政治が行われています。この政治に終止符を打たなければならない」

狩俣さん陣営は、平均年収200万円を割った沖縄の置かれた厳しい状況を訴え、格差社会の解消をキーワードに支持拡大を目指しました。

開票の結果、イメージ選挙が功を奏し、保守中道から初めての女性候補、島尻さんが当選しました。

島尻安伊子さん「一貫して子育てしやすい環境をどう整えていくかというところを考えていきたいと思っています」

7月参議院議員選挙

糸数慶子さん「平和の議席を県民の皆さんと一緒に勝ち取りたい」

西銘順志郎さん「自立への議席を獲得するため再び参議院議員選挙に立候補する決意をしました」

去年11月の知事選では野党の候補者選びがすったもんだした揚句、空中分解したため、知名度抜群の糸数さんが担ぎ出され、惜敗。その糸数さんを野党は再び参議院選挙に擁立しました。

糸数慶子さん「安倍自公政権に対するノーという声を沖縄から突きつけていく。この矛盾を本当にしっかり県民に訴えて今の政治の流れをしっかりと変えていく」

一方、与党は自民党県連会長で現職の西銘順志郎さんが早々と立候補を表明。

野党陣営は、先の知事選の敗戦を教訓に組織の建て直しを図り、各政党、労働団体、市民団体が比例候補と一体となって選挙戦を展開。糸数さんは若者や無党派層へも広く浸透。年金問題や教科書検定問題などの追い風もあって、一部自民、公明票も取り込み、勢いは一段と加速しました。

西銘順志郎さん「国政の安定なくして、県政の発展なし」

現職の国会議員、自民党県連会長、西銘元知事の長男。申し分ない経歴でした。しかし、年金問題や教科書問題は予想以上に逆風。

石原伸晃自民党幹事長代理(当時)「野党の候補が当選しましても、沖縄の振興には全く役に立ちません」

自民党本部のてこ入れも、頼みの安倍総理の応援はありませんでした。

外間盛善自民党県連会長代理「九分九厘、90%が反対だから」辻野ヒロ子自民党県連女性局長「党員をどこまで理解させることが出来るのか」新垣哲司自民党県連幹事長「我々は島尻さんで戦えないよと」

2月の補選で島尻さんを強く推した西銘さんと、自民党県議団との確執が表面化。加えて公明党支持者の大半が糸数さん支持へ回り、集票マシーンの建設業界も談合問題で鳴りを潜め、経済界の反応は最後まで鈍い状態が続きました。

比例区では、社民党の山内徳信さんが大田昌秀さんの議席を守り、初当選を飾りました。

糸数慶子さん「国民の暮らし、沖縄の教科書問題、平和憲法をしっかり守る」

金城記者です。金城さん来年は6月に県議選があります。そして近いうちに衆議院の解散総選挙もあると見られていますね。

参議院選で与党は、自民党県連内部で不協和音が生じました。また自公協力にも陰りが見えました。そのような中で、次期衆議院選ですが、自公協力のモデル、1区が鍵を握ります。

1区はそうぞうの下地さんに敗れたとはいえ、これまで公明の白保さんが議席を持っていました。しかしここにきて、自民県連は独自候補を立てる考えです。当然、公明は譲る気はありません。

そうなると、ほかの選挙区で自民候補を応援してきた協力関係に影響が出るのは避けられません。1区で調整ができなければ、分裂しかありません。ですから自公の動向からは目が離せないという訳です。

一方の野党ですが、参院選で糸数さんで一矢報いた訳ですが、しかし衆議院1区で候補者を擁立できる見通しは立っていません。人材不足が野党の課題ですね。ですから野党は、選挙に勝てる人材の発掘が急務となるでしょう。

いずれにしましても、与党、野党ともに内部で協力関係を築けるかどうかです。そのことが、次期衆議院選の行方を大きく左右することにもなるということです。

金城記者でした。