県の環境アセス審査会は17日、辺野古での基地建設の為に国が県に提出した方法書に対する知事への答申を行いました。方法書の書き直しを求めています。
審査会ではこれまで沖縄防衛局が名護市辺野古での基地建設のために県に提出した環境アセスの方法書について、7回の会議と2回の現地調査を行ってきました。
その結果、「方法書には不備な点が多く、手続きをやり直すべきだ」といった意見が相次ぎ、17日の答申の中でも「事業内容がある程度決定した上で、再度実施するべきだ」と前文で指摘し、36項目208の事項に渡って問題点を記しました。
仲井真知事の代わりに答申を受け取った県の知念建次文化環境部長は「審査会の主張をしっかりと知事意見に反映させたい」と述べています。
仲井真知事はこの答申の内容を検討した上で、21日に沖縄防衛局に対して知事意見を提出します。
岸本記者「環境影響評価の審査会で『方法書を書き直すべきだ』といった内容まで踏み込むのは、全国的にもほとんど前例がないです。そういう意味で今回の答申は、国のやり方に環境の専門家が待ったをかけたという点で、非常に画期的だと思います」
でも、実際に国が方法書を書き直して、もう一度最初からやり直す可能性はあるんでしょうか?
岸本記者「環境影響評価法では『大きな事業の変更があった場合、方法書の前の段階に戻ってやり直さなくてはならない』と書いてあります。でも、その恐れがあるかどうかを判断するのは事業者、つまり国です。国は2014年までに基地を完成させたいと焦っていますから、こういう判断をするかどうかは非常に疑問です。はっきりいうと可能性は低いと思います」
前回の海上案の時も、審査会のメンバーは環境保護のために厳しい答申書を書きましたが、当時の稲嶺知事はその声を知事意見には反映させませんでした。今回は仲井真知事はこの「方法書のやり直し」を知事意見の中に盛り込むんでしょうか?
岸本記者「そこが一番大切な部分で、審査会の主張を知事意見にどれだけ入れるのか、すべて知事の裁量次第です。環境の専門家達を集めて7回の会議をやって、2回も現地調査をやり、その結論として『一から方法書を書き直せ』といったのかと考えると、やはり、このままでは辺野古の海はもう目も当てられないくらいボロボロになりますという警告だと思います」
岸本記者「仲井真知事は普天間基地の辺野古への移設を容認していますが、『環境保護』は別問題でしっかりやると政府にも言ってるわけですから、その点は政治の駆け引きではなく、しっかりと沖縄の環境を守る知事として主張してほしいと思います」