2003年にスタートした座間味島のサンゴ観察ツアーも今年で5回目。今年は天気にも恵まれました。待ちきれない様子の子どもたちも元気よく船に乗り込みます。集まったのは48人。
参加者「タコとか、いろんなものがいると思う」 「参加できてすごいうれしい。見せてあげたいですね、まだ多分見たことがないと思うので」「まったく何も分からないですね。だから今日はぜひいろんなことを教えていただきたいと」
期待に胸が躍ります。そして今回のツアーには、なんと85歳の男性も参加してくれました。
参加者「(Q:海の中はどんな景色を期待されてますか?)竜宮城のような」
2000年のオニヒトデ大繁殖以降、ずっとオニヒトデと戦ってきた座間味の海。竜宮城のような景色が待っていることを信じて、いざ出発!
久田記者「絶好のサンゴ観察日和となりました。僕も今から行ってみたいと思います」
今年は沖縄のサンゴにとって厳しい年でした。海水温が上昇し、ストレスを受けたサンゴが白化するホワイトシンドロームが大発生。石垣近海ではストレスに敏感な種類のサンゴは50%以上が死滅しました。座間味のサンゴはどうなっているのでしょうか。
一面に広がる美しいサンゴの群れ。座間味の近海では、真夏には浅い場所のサンゴに白化が見られたものの、5メートルほど潜ったところでは、高水温による白化の被害は少なくすみました。しばらく海底を観察していると・・・。
「奇跡だ!」「わぁ〜!」
私たちを迎えてくれたのはウミガメ。ボートが近づいても逃げる様子はありません。まるでみんなを竜宮城に誘っているようでした。
参加者「白くなってるところがサンゴが残念」「青いイソギンチャクとか、いろんな魚が見れて楽しかった」
こうしてサンゴがもとの元気な姿を取り戻しつつあるのも、ボランティアのダイバーを中心としたオニヒトデ駆除作業の成果。視聴者のみなさんから集まった募金に支えられて、座間味の海は着実に回復してきています。
座間味ダイビング協会・又吉英夫会長「やっぱりこういう長期にわたる駆除活動といいますと、皆さんの募金活動があってはじめて一緒に活動ができているんです。そういう側面的な応援がなければ、我々はここまでできていませんでした。ほんとに皆さんには感謝をしています」
これまでに駆除したオニヒトデの数は20万匹以上。生態系のバランスは以前のように回復したかに見えました。しかし、また別の敵もサンゴを脅かしています。
「レイシガイ(ダマシ)。オニヒトデと同じでサンゴを食べる貝なんですが、数ミリから2,3センチの小さな貝が、直径50センチのサンゴに数百、多いときは1000匹くらいたかって、サンゴを食べてます」
今、ボランティアダイバーはこのレイシガイダマシを駆除する作業を続けています。ピンセットで一つ一つ取り除く、根気の要る作業です。
参加者「サンゴのためにがんばっているから、かっこいいと思います」「そういった駆除するボランティアとかってのを見てると、自分に何ができるのかなって」
日常生活では見ることのできない海の中まで観察した参加者は、楽しみながらサンゴの今を学び、関心が高まった様子でした。
参加者「死んでるサンゴとかもあればきれいなサンゴもあって、テレビで見てる情報を目の当たりにして、こういう状態なんだなっていうのを実感しました」「魚がいっぱい見れたのが楽しかったです」「すばらしかった。こんなに沖縄はいいとこあるんだとは思いませんで」「楽しかった」「海とバスが面白かった」「(Q:また来たいですか?)はい!」
来年にはもっときれいで美しい海であることを願って。サンゴを守る戦いはまだまだ続きます。