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アスベストによる被害で死亡した元基地従業員の遺族が申請していた損害賠償について、国が日米地位協定に基づいて損害賠償金を支払っていたことが分かりました。これは元基地従業員のアスベスト被害の救済を手がけている古川武志弁護士が8日、県庁で会見し明らかにしたものです。

それによりますと、本島南部の男性が1964年から1996年までキャンプキンザーなどのアメリカ軍基地でボイラーの設備修理に従事し、2001年、肺がんのため死亡。死因はアスベストを吸った肺がんとされたため、遺族が2006年12月に当時の那覇防衛施設局に対して日米地位協定に基づく損害賠償を申請。これを受けて沖縄防衛局が10月17日、およそ2200万円の損害賠償金を支払いました。

日米地位協定に基づく賠償金支払いは沖縄では初めてです。会見で古川武志弁護士は、「地位協定によって賠償されたことは、賠償の裾野を広げた。沖縄では裁判を経ずにできてよかった」と語りました。県内では現在、別の男性が損害賠償を申請、さらに2人から3人の元基地従業員が申請を準備しているということです。