※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

集団自決を巡る問題は、9月の県民大会を機に全国に広がっています。こうした中、毎年、平和学習の一環で沖縄を訪れている東京の和光小学校の子どもたちが、座間味島で集団自決につてい学びました。

座間味島を訪ねたのは、東京の和光小学校の6年生72人。沖縄戦から平和について学びたいと毎年沖縄を訪れ、今年で21年になります。和光小学校が座間味島を訪れるのは、今回で7回目になるのですが、今年は集団自決に関する教科書への記述問題をきっかけに、これまで以上に「集団自決」に対して重きが置かれています。

宮里哲夫さん「自分で校長先生は首を切ったんです。1回やったと同時にぱっと血が吹き出ました」

当時10歳だった宮里哲夫さん、集団自決の生き残りです。集団自決の現場で何が起こったのかをありのままに子どもたちに語ります。

宮里さん「誰一人、話したくない。あの悲惨な光景、むごい光景を思い出したくない」

宮里さんの心からの訴えに、子ども達から次々と質問が上がります。

『どうして、この集団死のことを話さそうと思ったんですか?』

宮里さん「この話をみんなに伝えたい。このような悲惨な戦争はあってはいけない、体験していない人にも分かってもらう。そして、平和な時代にしていくの」

また、こんな質問も飛び出しました。

『その頃、兵隊の手伝いをするのはうれしかったですか?』

宮里さん「はい、うれしかったです。兵隊さん見るのも初めてだし、あのときには男の子は兵隊さんになる、女の子は看護婦になるそういうのがあこがれです」

子どもたち「人をころすような兵隊にあこがれるなんて考えられないけど、その頃考えてた、そういう教育はもうやめたほうがいい」「集団死のことも勉強したのですが、体験した人から聞くと、本当にあったんだろうなって言うことが分かりました」

子どもたちは集団自決をはじめ、悲惨な形で命を落とした人たちに祈りを捧げ、二度と戦争を起こしたくないという思いを新たにしていたようでした。

事前に学んできた子どもたちですが、実際に集団自決があった場所で証言者から聞く生の声は、子どもたちにずっしり響いたようでした。今回、子どもたちが肌で感じ取った思い。この先、戦争・平和について考える際に、立ち返る原点になってもらえるといいですね。