去年、沖縄を訪れた観光客560万人国内観光客は、そろそろ頭打ちと言われる中、今後の沖縄観光のけん引役として鍵を握るのが外国人観光客の動向。彼らは、何を求めて沖縄を訪れているのでしょうか?現在、そのほとんどを占めている台湾客のツアーに密着しました。
10月18日那覇空港国際線、この日到着したのは、3泊4日の沖縄ツアーに参加した台湾客、総勢16人。現在、台湾からの観光客は、ほとんどが観光バスで各地を回るこうしたパックツアー。
「沖縄初めての人」「はーい」16人中、13人が初めての沖縄です。
まず最初に向かったのは、南城市の「おきなわワールド」。こちらは、恋人同志で参加したコウさんとリンさん。コウさんはIT関連のお仕事。コウさん「(沖縄に来たのは)一番近いのに来たことなかったので」
奥さんと娘夫婦、3歳の孫という、大家族で参加したリーさんは、「(沖縄に来たのは)子供が小さいし、近いしね」お母さん「(一番楽しみなのは)海洋博」リーさん「行ったことあるのは北海道、東北、東京、九州…」
このお父さんのお仕事は整体師。今回の参加者は、なんと全員が過去に日本への旅行経験がありました。
次に一行が向かったのは、豊見城市のアウトレットモール。平日にも、多くの台湾客の姿が見られます。購入した物を見せてもらいました。リンさんが買ったのは…4万2000円のコーチのバック。そして、この女性が購入したのも…「あー、またコーチですね」こちらも、3万2000円のコーチ。台湾ではいま、若い女性にコーチが大人気だということです。
そして夕食のために向かったのは、那覇市内の焼肉店。実はこの店、海外から多くの観光客が訪れるというのです。
店長「あの、言葉がなくてもご自分で選んで召し上がれるというのが一番だと思いますし」
言葉の壁のない、このビュッフェスタイルが人気だったのです。
「これ台湾の免許と国際免許書です。はい」
一方こちらは、台北から4人グループで初めて沖縄を訪れたチョーさん。実は、先月の道路交通法改正で、台湾からの観光客の日本国内での車の運転が可能になったのです。
「自由に遊びたいし、決まったコースを回るのはいやです」2泊3日で、美ら海水族館などへ行く計画。少ないとはいえ、こうした自由な旅行を楽しむ台湾客もいるのです。
ツアーの一行が2日目に訪れたのは、うるま市のビオスの丘。台湾客のツアーでは、こちらか、沖縄市の東南植物楽園には必ず立ち寄るといいます。
「台湾と同じようなものもあれば、珍しいのもあります」
植物園が人気で、とりわけ、こうしたきれいに整備された施設は台湾では珍しいとのこと。
一行は2日目、3日目の宿泊先となるリゾートホテルに到着。このツアーは、初日に南部、2日目は那覇市内と中部、3日目に美ら海水族館など北部を観光し、4日目に帰国するというもの。飛行機代、ホテル、3食がついてツアー代は、1人およそ7万2000円。
「海がきれい。ビーチもとてもきれいにしてある。台湾よりね」「景色が美しいしホテルの雰囲気もとてもいい」ちなみに初日にコーチのバックを買ったリンさんたちが前半の2日間でツアー代以外に使ったお金は、およそ7万円。最終日までの予算は13万円とのこと。
東亜旅行社 林社長「競争相手が増えたってことなんですよ」
台湾では、かつて「近く、安く行ける日本」という触れ込みで沖縄ブームもあったと話す、林さん。去年沖縄を訪れた観光客560万人のうち外国人は、わずか1,6パーセントの9万2000人。増え続ける国内観光客に比べ、海外客は、低迷を続けているのが現状です。
林社長「東京と北海道ですよ。東京はシーズンによっては、沖縄より安い場合があるんですね」
林さんは、これら他の観光地に比べ、沖縄の観光業界に、外国客を歓迎する空気がないと指摘します。
林社長「本土のお客さん(の予約)が解けて、初めてじゃあ(外国客)どうぞなんですよ。最初からどうぞじゃないんですね。そうなってくると台湾の旅行社が沖縄を敬遠してしまう傾向がありますね」
台湾の旅行業者、陳さんも「やっぱりちょっと(沖縄の)イメージが薄いと思いますね。台湾には」「キャンペーン、もう少ししてほしいです。そうですね。」
海外客にとっても十分な魅力をもつ沖縄観光。低迷打開に向けた具体的対策は、1000万人観光客を目指す仲井真県政にとって、もはや待ったなしの課題です。
台湾の皆さん、沖縄の海に対しては、かなり評価も高いようですからね。なにか、このままでは何かとてももったいないですよね。以上、Qリポートでした。