泡盛の古酒は好きな方も多いと思いますが、何十年ものとなると買うには値が張りますし、昔ながらの甕に注ぎ足す伝統的な作り方「仕次ぎ」となると場所もとりますね。そこで、きょう紹介するのはこの仕次ぎを自動的にしてくれる容器。特許も取得しました。
泡盛の古酒造りの方法のひとつで古くから沖縄に伝えられる「仕次ぎ」という方法。年の古い順に甕の酒を移していくもので、いくつかの甕を年代順に貯蔵し、親酒と言われる最も古い酒を汲み出し、その分だけ年の若い古酒を順次補充していくというもので、いつまでも年代物の古酒を楽しむ事ができます。
ただ、この伝統の方法は甕が場所をとり、家庭ではなかなか難しいものそこで那覇市に住む長浜さんは簡単な仕次ぎ方法の開発に乗り出しました。それがこちらの容器。一升瓶が約28本入るステンレス製の箱型。内部は七層に分かれています。
長浜さん「25年位前からずっとカメによる仕次ぎ、古酒作りをやってたんですが非常に問題がありまして、弱点がありましてね、それを解決したいなあと思って、始めました。」
長浜さんが製造を依頼したのはこちらの工場。工場長はどんな難しい設計でも職人技で仕上げてみせる達人。
「こういう板から製品が生まれてきますからこの板をね転回するんですよこういうふうに、切り取ってからそれからプレスで折り曲げしてそして、また溶接、職人が溶接してから研磨して仕上がりですね。
そうして完成したのがこちら。七層に分かれた内部の各仕切りにはシリコン製の弁が設けられて、新しい酒を注ぐと蛇口がついている層に向かって泡盛が流れ各層の泡盛が少しずつ混ざり合う仕組みになっています。これで毎年甕から甕へ移していく「仕次ぎ」を簡単に行うことができるのです。
那覇市にあるこの店では長浜さんの開発した容器を設置してお客さんにも提供しています。沖縄料理にも泡盛にも詳しい女将さんも出来栄えには満足しているようです。
「何年もマイオンリークースが作れるってことの楽しみ、うん私だけのお酒ですので、これは」
「仕次ぎっていうのは難しいのよ、そのまま作ればね」
「オヤジも言ってたんですけどまろやかになってるのか試飲したいですね。是非飲ませて欲しいと思います」
長浜さんはこの熟成容器でおいしい古酒を県内外に知ってもらい、多くの人たちに味わってもらいたいと夢を膨らませています。
泡盛は奥が深いですね。まろやかな古酒が出来上がるよう期待したいです。