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ひめゆり学徒隊の生存者に13年の間向き合い、カメラを回し続けた映画「ひめゆり」。戦争中の耐え難い体験を淡々と語る生存者の姿が全国で上映され、反響をよんでいます。

今月15日終戦記念日、東京・新宿での上映会に続いて催されたトークショーに出演したのは学徒隊生存者の宮城喜久子さんと島袋淑子さん。そして、歌手のCoccoさんでした。

Coccoさんは自身も資料館を訪ね、映画も見ました。戦争の体験を風化させてはいけないと、彼女自身の言葉や歌でメッセージを送り続けているひとりです。顔をあわせるのは初めてという3人が、平和への思いを込めてそれぞれの気持ちを語りました。

島袋さん「まさかお友だちが227人も死んでしまう、沖縄の住民が、生まれて名前もつけられない赤ちゃんまで入れると20万人もの命が失われる戦争に巻き込まれるとは夢にも思いませんでしたから「みんな頑張ろうね」って学校を後にしたんです。だから知らない、ということは恐ろしいことです」

Coccoさん「こうやってさわれるわけ。わかる?こうやってさわれる人が教えてくれることいっぱいあるわけ。その教えをいま逃したらチャンスもないわけ」「どれだけの思いで(体験を)喋ってくれているか、どれだけの思いでここまで来てくれたかっていうのを、やっぱりみんなにわかってほしい」

Coccoさんは、ひめゆりの生存者たちのために歌をうたいアルバムに収録しました。それは当時、壕のなかで、引率の先生が歌ってくれたという思い出の歌。過酷な体験のなかの、わずかな幸せな記憶です。

宮城さん「授業中の先生の歌声、壕の中での歌声、あの感動は今も忘れずずっと残っているんです」

Coccoさん「何度もなんども(体験を)喋らせて、何度も泣かせてしまって、この映画を見たときに”どうやったら笑ってもらえるか”って」

♪お菓子の好きなパリ娘 ふたり揃えばいそいそと角の菓子屋にボンジュール

60数年前の記憶が、一曲のうたで繋がってゆきます。戦争を決して過去のものにしないために。今が戦前とならないように。戦争をしらない世代の私たちが、戦争を体験した人と触れ合える、その時間はもう、わずかしかないのです。

観客「きょう知ったことは本当に忘れないようにしようと思ったし沖縄で若い人があまり見ていない、てのを聞いて今日わたし、来てすごくよかったと思ってるからたくさんの若い人に見て知って、覚えてて貰いたいと思いました」

「きょう来て、おばあさん達にまた新しい話を聞かせてもらってわたしは忘れないでいこうと、本当に思いました。喋ってて泣きそうになっちゃったんだけど、話してくれてありがとう、っておばあさん達に伝えたいです」

映画「ひめゆり」、この週末ふたたび県内で上映されることになっています。前回は那覇での上映だったんですが、今回は名護市と沖縄市での上映。

辛い記憶に耐えてきた生存者の方々が、平和への思いを込めて語りはじめた真実を、私たちがどう受け止めるのか。映画は静かに問いかけています。