レジャーシーズン真っ只中。海や山でキャンプを楽しむ光景も多く見られますが、毎年この時期、座間味島で行なわれているサマーキャンプがあります。
沖縄のジャズ界の大御所、屋良文雄さんが25年前から行なっているミュージックキャンプに密着しました。
那覇市泉崎にあるライブハウス「寓話」。屋良さんの味のあるジャズピアノと気さくな人柄に惹かれて、県内外からお客が訪れます。
そんな屋良さんが、毎年夏に行なっている一大イベントがこちら。
屋良さん「ライブハウスの部屋の中でしているからね。それもいいんだけど、自然の中でジャズをしたいなという気持ちがあって・・」
キャンプ当日、泊港には全国各地から続々と参加者が集まってきました。屋良さんがボランティアで音楽を教える珊瑚舎スコーレフリースクールの生徒や夜間中学のおばあちゃん達の姿もあります。年々参加者は増え続け、今年はなんと150人。1泊2日座間味ツアーのスタートです。
大海原と真っ青な空の下、フェリーでも夜の本番に向けて予行演習です。
座間味に到着した一行が向ったのは、ミュージックキャンプの舞台となる阿真ビーチ。
各々テントを張り終えると、あちらこちらから楽器の音が聞こえてきます。キャンプを主催する屋良さんはというと、本番を前にパワーの充電。お昼寝中です。
夜間中学のおばあちゃんたちは浜辺をお散策。皆さん夕刻まで、の〜んびり過ごします。
そして・・・
「ようこそ。全国から集まって下さって有難うございます」
日も傾きかけた頃。いよいよミュージックキャンプの幕開けです。
店の常連客や音楽を愛する仲間達を集め、座間味島の海辺で行なうミュージックキャンプ。今年で25年を数える歴史あるイベントです。
参加者「(Q:どちらからいらっしゃいましたか?)私は川崎です」「僕は福岡。あのね、感性が違う。父ちゃんのジャズって、父ちゃんの気持ちがそのまんま音楽になってるんで・・・。凄くいいんですよね。大好きです」
珊瑚舎スコーレの生徒達も音楽の授業で屋良さんに教わった歌を披露しました。
ステージに立つのはプロだけではありません。音楽のジャンルもプロかアマかもこだわりません。とにかく皆で音楽を楽しめるいうのが、このキャンプの醍醐味です。
屋良さん「要するに心の平和です。楽しいこと考えたら、楽しい人たちが集まるだけです」
25年前から毎年この座間味島で続けてきたミュージックキャンプ。そこには、屋良さんのある思いがありました。
屋良さん「戦争があった時代に大変な島だったというのはわかっているんですね。でもこっちから世界の平和の発信が出来るって。平和だからこういうことが出来るっていう」
歴史教科書問題で忙しい座間味村の仲村村長も、この日ばかりはTシャツに半パンというラフなスタイルで参加していました。
仲村村長「やはり、音楽というのは国境がないでしょ。そういう意味合いでは、確実に世界、地球を覆いかぶせる発信だと思います。音楽の世界というのは素晴らしいと思います」
夜間中学のおばあちゃん達もすっかり上機嫌。最後は月夜の下、老いも若きも手に手をとって体中で音楽を楽しんでいました。
このミュージックキャンプ、30人程度からスタートしたのが今や150人。屋良さんの思いが確実に広がっているんですね。
自然の中で心も体も開放されて音楽を楽しむっていいですね。これからもその輪がずっと広がっていってほしいです。