サンゴの組織が徐々に壊死して白くなり、まもなく全体が死んでしまう、いわゆるホワイトシンドロームを食い止めようと、座間味島沖でダイバーらが被害を受けたサンゴの切除作業を行いました。
この取り組みは慶良間海域保全連合会が実施したもので、作業にはダイビング業者などから約20人が参加しました。
水深約10メートル。良く見ると船の上からも白くなったサンゴを確認することができます。作業を行うダイバーたちが手にするのはハンマー、そして鉄製のやり。
サンゴの中央に走る白い帯状の部分がサンゴの壊死が進んでいる部分で、黒い部分はすでに死んだ後に藻が生えてしまった部分。この現象がホワイトシンドロームです。
ホワイトシンドロームがこれ以上進行するのを防ごうと、すでに壊死した部分をハンマーで切除しました。作業は今年に入って3回目で、これまでに切除されたサンゴはその後、回復しているということです。
ホワイトシンドロームは1ヵ月で20センチという早さで進み、一年で大きなテーブルサンゴを死滅させます。
作業を行ったダイバーは「見ててかわいそう」「今まで見慣れていた景色がどんどん白くなっていくのでショック」などと話していました。
ホワイトシンドロームは温暖化が原因とも言われていますが、そのメカニズムは全く分かっていません。慶良間海域保全連合会の入川暁之参事は「今はこれ以外に僕たちができることがないというだけで、これが一番いい方法ということではない。根本的な解決が必要だとは思うが」と話していました。
11日に処置を行ったのは7つのテーブルサンゴ。切除されたサンゴの重さは80キロに及びましたが、まだ氷山の一角に過ぎません。
座間味ダイビング協会の知久博志副会長は「少しずつでもこうして集まるメンバーがいるので、これからもがんばっていく。絶対にサンゴを残していこうと思う」と話していました。