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県民の怒りが再度県議会を動かしました。高校の歴史教科書から集団自決への日本軍の関与が削除された問題で、県議会は11日、記述の回復を求め2度目の意見書を可決しました。
6月定例県議会は11日、最終本会議が開かれ、沖縄戦における集団自決の日本軍の関与を修正、削除させた文部科学省の教科書検定意見について、検定意見の撤回と記述の回復を求める意見書が、先月22日に続いて提案されました。
前島明男文教厚生委員長は「文部科学省は『教科用図書検定調査審議会が決定することであり、理解していただきたい』との回答に終始し、検定意見の撤回と集団自決に関する記述の回復を拒否している。沖縄戦における集団自決が日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実であり、同記述の回復が速やかにおこなわれるよう再度要請する」と提案理由を述べました。
このあと意見書は全会一致で可決。県議会で同じ意見書が会期内に2度可決されるのは初めてです。
決議後、仲里利信議長は記者団に対し、「2度の意見書採択というのは前例もないと思う。それだけ県議の皆さん、あるいは県民が大変重要なことだと見ている」と述べました。
県議会は6日、座間味島と渡嘉敷島で集団自決で生き残った住民から当時の状況を聴取し、軍の関与はあったと確証。このままではいつか沖縄戦そのものも教科書から消されかねないとの強い危惧の念を抱き、再度の意見書の可決となりました。今後は超党派による県民大会も検討する方針です。
国の歴史修正の動きに抗って再度意見書を決議し、沖縄の思いを突きつけた県議会。しかし国に検定意見を撤回する意志はなく、この問題にどう風穴を開けていくのか、県民の力量が今まさに問われています。