夏の甲子園、県代表を決める沖縄大会も昨日準々決勝が行われ、8強に名乗りを挙げた各校が激突。4試合すべてが白熱という言葉にふさわしい熱戦を展開しました。
県内の頂点を争う実力校同士が対戦した浦添商業対中部商業。
実力伯仲の試合は互いに堅い守りで、得点を許さない好ゲームを展開。
均衡を破ったのは浦商でした。ランナーを3塁に置いて、3番・松本選手が、伊波選手の初球をセンターへ返し、貴重な1点をもぎ取ります。
一方、中商も4回、2アウトの後、5番・比嘉選手、6番・島袋選手の連続ヒットで1塁、2塁と絶好のチャンス。ここで7番・知念選手のあたりはレフトへ!
セカンドランナーは猛然とホームを狙いますが、浦商のレフト・漢那選手から、ボールは中継を経てホームへ!しかしタッチアウト!
この試合、両チームを通じて、たった1回しかなかった連続ヒットの場面を浦商が守りで乗り切り、互いの持てる力を全て出して尽くします。
しかし、このままでは終われない中商は6回に、4番の大城亮選手がライトへのタイムリー!試合を振り出しに戻します。
そのまま延長戦へと突入した12回表、中商の3番手、2年生の湧川選手が突如崩れ、フォアボールとワイルドピッチでピンチを広げると、バッターボックスにはこの試合一人でマウンドを守ってきた浦商のエース・伊波選手。伊波選手のあたりがレフトの犠牲フライとなって、ついに勝ち越し点。
さらに7番・宮里選手のタイムリーで3点目をたたき出した浦添商業が、熱戦の名勝負に幕を下ろしました。
続いて、北谷公園野球場で行われた第一試合では離島勢で唯一ベスト8に勝ち上がった八重山と、新監督を迎え、8年ぶりのベスト4進出をかけた興南が激突しました。
八重山は勝てば19年ぶりのベスト4進出となるため、その期待は大きく、石垣から大応援団が駆けつけました!
「みんな心を一つにがんばってほしいと思います」「ホームランをかっ飛ばせばいい!!」
試合は両チーム合わせて23本のヒットが飛び交う乱打戦となりました!
2回裏、八重山は2対3と1点を追いかける場面で、ヒットとフォアボールで1アウト満塁と絶好のチャンスを向かえます。打席には2年生の5番・宮良用馬選手。この当たりが値千金の2点タイムリーとなり、八重山が5対3と逆転に成功します。
しかし、ここから興南打線の猛攻をうけ、3回に同点に追いつかれると、4回にはノーアウト満塁のピンチを迎え、1番・小浜選手にタイムリー2ベースを浴び、5対7と再び逆転を許してしまいます。
なおもノーアウト2塁・3塁のピンチ。ここで八重山はピッチャー交代。背番号1を付けたエース米盛選手がマウンドへ。
スタンドでは、米盛君のお父さんが心配そうに息子の姿を見守っていました。
米盛君のお父さん「変なプレッシャーをかけるんじゃなくて、楽しんでもらいたい」
この父の思いに応えるかのように米盛選手は堂々たるピッチングで後続の打者を打ち取り、追加点を与えません。
そして迎えた5回裏、八重山は打線が爆発。4連打を含むヒット6本の猛攻で一挙4点を奪い、ついに9対7と試合をひっくり返します。
このまま逃げ切りたい八重山でしたが、粘る興南に7回表、3点を追加され、9対10と再び逆転されます。
この3点が最後まで響き、粘った八重山でしたが、見守る家族の声援に応えることは出来ませんでした。
「1点差で負けましたけど、選手は良くやったと思います」「来年には親元から離れるんですけど、大きく成長してくれたと思います。仲間と一緒に」
4年ぶりのベスト4進出を目指した沖縄工業は沖尚と対戦。
試合は初回から先発・島袋選手が打ち込まれ、2回までに5点を許してしまいますが、2回途中からマウンドへ登ったエース・古堅選手がその後、強力沖尚打線を相手に許したヒットはわずか5本。6つの三振も奪い、味方の援護を待ちました。
しかし、沖尚の2年生エース・東浜選手の完璧なピッチングの前に、打線は沈黙。5対0で涙を飲みました。
その他、19年ぶりにベスト8に名乗りをあげた第2シード豊見城は、中盤5回に小禄に逆転を許すと、6回と7回にも追加点を許し、結局6対5で破れました。
この結果、来週は小禄と興南、そして浦添商業と沖縄尚学が準決勝で対戦します。
QABでは今週土曜日に予定されている準決勝の第一試合、36年ぶりのベスト4へ名乗りをあげた小禄と古豪復活に燃える興南の試合、そして翌日の決勝戦を実況中継でお伝えします。お楽しみに!