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コンビニや食堂でいつでも食事ができる現代。そこで気になるのはカロリーの摂りすぎではないでしょうか。とくに高カロリーの食品やメニューが多いといわれる沖縄ですが、具体的にどれが何カロリー、という資料は少ないですよね。

さてそんな中、沖縄の食に注目したカロリーブックが出版され、話題を呼んでいます。この本で見えてくる新たな食のあり方とは?

お昼です。待ちに待ったランチタイム。お弁当屋さんがずらりと並ぶのも、沖縄ならではの風景といったところ。覗いてみると、我がうちなー風弁当には、カツやフライやてんぷら、三枚肉とかもろもろが、ゴハンの上にまでたっぷり。うーん、美味しそうです。

食堂では厨房のお母さんたちが大忙し。人気のメニューはちゃんぷるーに焼肉、ポークたまご!ビジネスマンの胃袋をみたす沖縄食堂のメニュー。これで午後もバリバリ仕事ができそう、なんですが・・・

でも気になるのは、そう、カロリー。

たとえばこういう日はありませんか?今日はお腹すいたなあと、ついつい弁当とカップ麺まで買ってしまったり。実はこのサイズの沖縄風弁当は、およそ1600キロカロリー。そしてカップめんを組み合わせると2000キロカロリーを超えてしまうんです。

高カロリー食の多い沖縄の食生活。長寿の島・沖縄のイメージは大きく傾きつつあります。男性の平均寿命はいまや全国26位。肥満率はなんと全国ワースト1位という現状。カロリー摂取の計算など、食生活の見直しを急がなければ、事態は深刻です。

沖縄独特の食品やメニューを中心に、カロリーを調査した「おきなわカロリーブック」がいま話題を呼んでいます。食堂メニューや弁当、重箱や輸入食材、ファストフードまで。今日食べた、あるいはきのう食べたメニューのカロリーがこまかく掲載されています。

本を出版したのは管理栄養士の宇栄原千春さん。健康のために肥満を減らす、肥満を減らすためには食生活を見直すことが重要と考え、このカロリーブックを作りました。

飲食店、食品メーカーからの回答や、自身での調査をふくめ、カロリーを掲載した食品はおよそ300。しかしそれは「食べてはいけない」ものをあげるのではなく、「美味しいものをどう食べるか」を考えるための作業でした。

宇栄原さん「カロリーが高いものというのは概して美味しいものですよね。私たちが食べたいものに繋がると思います。それを我慢するのではなく、食べて、そのあとや前に調整するという意識を皆さん持って頂けたら一番いいと思う」

もともと本土とは異なる食生活だった沖縄ですが、戦後はアメリカ統治の影響でさらに複雑になりました。ポーク缶やファーストフードなど、アメリカの食文化が沖縄ではすっかり定着しています。

松本先生「缶詰類を使った料理っていうのは、今でも、私たちはふんだんにつかって色々な料理を作りますよね。そのときの影響ってすごく大きいと思うんですよ」

さらに、沖縄の気候も高カロリー食を生む原因となります。

松本先生「お弁当みてますと、殆どっていうくらい揚げ物ですよね。やはり沖縄は高温多湿ですのでどうしても揚げ物でないともたないって、そのイメージが強いんでしょうね」

さまざまな要因から、戦後、カロリーの高めな食生活が定着してしまった沖縄ですが、カロリーが高いから食べないと我慢するのではなく、ちょっと計算すれば、体重のコントロールはうまくいくと宇栄原さんは考えています。

宇栄原さん「自分の必要なカロリーを規準として、それと同じカロリーを摂取しているのであれば体重維持。それよりマイナスにすることができればやせていくということになりますので、その感覚を持って頂ければ体重のコントロールはすごく楽になると思う」

たとえば30代から40代の男性が一日に必要なカロリーは2650キロカロリー。同じカロリーを食事でとると、体重維持。低めの食事であれば、痩せるというわけです。

きょうのランチは大好きなバーガー。チキンバーガーとポテトで610キロカロリーです。20代女性の必要カロリーは2050キロカロリーですから、朝食と夕食をあわせて1440キロカロリーになるように考えて食べる、というふうです。

身近な食材のカロリーを知ると、外食だけでなく、家庭での食事や調理方法もかわってくると松本先生は期待しています。

松本先生「じゃあ必要以上に油・脂肪分が多い場合は、落として使うとか工夫ができると思うんですね。そういう意味ではいい参考資料になりますよね、こういうカロリーブックは」

食べないのではなく、どう食べるかを考えるという感覚をぜひもって欲しいと話す宇栄原さん。カロリーブックをつかってうまく体重をコントロールして欲しいと考えています。

宇栄原さん「やはり自分の健康を守るのは、基本的に自分だと思うんですね。体重をコントロールできるのも基本的には自分だと思う。ですので世のご主人も奥様だけに任せるのではなく、ぜひご自分でも分かっていただいて、コントロールしていただければいいと思います」

宇栄原さんは『沖縄の健康のためには、まず肥満率日本一を返上すること。個人個人がカロリーに注目することで体重をコントロールし、そこから健康に対する意識を高めて欲しい』と話しています。なにより必要なのはそれぞれの意識です。さて皆さん、今日のランチは何キロカロリーでしたでしょうか?