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今年の夏の大会の強豪校や話題校を紹介してきた「めざせ甲子園」もきょうが最後の15校目。大会第1シードの中部商業です。

宜野湾市にある県立中部商業。過去2回夏の甲子園に出場し、県内高校野球新時代の強豪チームとしてすっかり定着している。

部員数130人は去年に続き県内ナンバーワン。練習場のバックネット裏には、部室に入りきれない選手のために大きな屋根がつけられ、特設の部室状態だ。

一般的に全国の強豪チームの場合、指導する選手の数は多くて50人程度、1学年10人程が理想とも言われる。中部商業はその3倍近い人数だ。

全員野球をモットーに、常に選手の自主性に任せてきた前任の上原正監督。130人という大所帯でも、いつもみんな一緒がモットーだった。しかし、今年4月チームは大きな転機を迎える。

盛根一美監督指「止まって、しっかり〜!ただ投げるんじゃないぞ!」

盛根一美監督が新監督として就任したのだ。浦添商業高校時代、春夏合わせ3度甲子園に出場、97年にはベスト4に入った名将だ。

盛根一美監督「(今年のチームは)浦添商業時代の夏の甲子園ベスト4のメンバーの力に匹敵するという気がします」

盛根監督お墨付きの実力を誇る中部商業ナイン。春の県大会で優勝し、実績ある監督を迎え、このまま勢いに乗って夏の頂点を目指したいところだが、そう簡単にはいかなかった・・・。

羽地淳平投手「最初はやっぱり戸惑いとかがあって、練習もちゃんと出来ない時期もあった」

盛根一美監督「戸惑いを感じながらやっているところなんですけれども」

兼城 雅主将「監督が変わってみんな戸惑いがあって、このままで勝てるのかなとか」

指導方法の違いから当初チーム内に動揺が広がった・・・。果たしてチームは一つになれるのか・・・。

この続きの前に、大会注目、中部商業の戦力紹介。

チームの柱は層の厚い投手陣だ。春の大会では抜群の安定感から先発に起用された蔵等一幸投手は多彩な変化球と、MAX136キロの技巧派投手。また、中継ぎとして活躍した湧川雄貴投手は、2年生ながらMAX142キロの豪腕が唸る。さらに、春は押さえとして投げたエースの羽地淳平投手。MAX141キロの速球と縦のスライダーが武器だ。

打っては、3番の宮里至選手や、4番の大城亮選手、そして5番の島袋翔伍選手など、クリーンナップを中心に上位から下位までどこからでも得点が奪える。さらに夏を前に、ノックや内野連係など、守備練習に重点を置き攻守ともに鉄壁だ。チームの実力は申し分なし。問題は監督と選手の心だった。

しかし、夏が近づくにつれ、ナインも次第に監督の指導についてこれるようになっていく。互いに目標は一つなのだ。

盛根一美監督「このチームだから言えるんですけども、目標としている『優勝』、『甲子園』というのが目の前にありますので、自分達の力でこれを勝ち取って欲しいと思ってます」

さらに、ナインの心を後押しするものがあった。

『今しか見れない夢だから頑張るだけの価値がある』

先輩達が残した言葉で、中商野球の原点だ。

兼城主将「あの言葉があるからこそ甲子園にも行きたいと思えるし、あれを見てまた気持ちを盛り上げていける」

羽地投手「今しか出来ないから、後悔はしないように。(宮古から出てくる時に)親に“行くなら絶対レギュラーとってこい”って言われて、辛くなった時はその言葉を思い出して頑張ってきました」

環境は変わっても変わらない野球への思い。中商ナインがこの夏、第1シードの誇りを胸に100%の実力を出し切る!

『アウト、セーフ、甲子園!甲子園行くぞ〜!!オ〜!!』

さて沖縄大会はいよいよ明日開幕。QABでは明日から始まる「速報めざせ甲子園」で、ゲストに長嶋三奈さんを迎えてお送りします。お楽しみに。以上、めざせ甲子園でした。