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沖縄地方、梅雨入りはしたものの、ここ数日あかるい日差しが降り注いでいます。そこで気になるのが紫外線です。県内のここ数日の紫外線量は連日「強い」から「非常に強い」という数値が報告されています。浴び続けると皮膚ガンなど、重大な影響をおよぼす紫外線。きょうはその対策についてお伝えします。

肌の大敵、紫外線。シミやしわをつくる犯人です。屋外で過ごすときには紫外線対策はきちんと行いたいものです。でも、対策が必要なのは夏だけではありません。初夏のこの時期にも、肌にダメージを与える量の紫外線が降り注ぎはじめているのです。

渡辺晋一教授「シミというのは色々あって、人によって使い方が違いますが、6割ぐらいが老人性色素斑、あるいは日光色素斑というシミです。これは紫外線によって長い間、皮膚の老化が進み、それによってできる皮膚の老化がシミとなって現れるものです」

顔や手など、紫外線にさらされやすい場所にできるのがシミ。私たちが「シミ」と聞いてイメージするものの多くが老人性色素班ですが、このシミができるのはもちろん高齢者だけではありません。この女性の頬にも老人性色素斑が浮き出ています。

シミを作る紫外線。目には見えませんが、しわにも関係しています。紫外線はその波長の違いによってUV−A,B、そしてCと3つに分類されています。一番危険なUV−Cは、オゾン層で吸収され、地表には届きません。このため、私たちが実際に浴びるのは、UV−AとUV−Bの2種類で、UV−Bは皮膚に強く作用してシミをつくり、そしてUV−Aはしわの原因となるのです。

砂川友一技術専門官「これが観測装置です」

気象台での紫外線観測。この観測機は札幌とつくば、そして那覇と全国に3台が設置されていて、日中の紫外線量を測定しています。このデータは「紫外線予報」として気象庁のHPなどで発表されます。

砂川技術専門官「これは今日の紫外線状況です。朝6時から観測をはじめてずーっとこう来ている。14時まで観測を終えて」

予報は、紫外線の強さで5段階のインデックスに分けています。影響を受けずに安心して屋外ですごせる「弱い」から外出を控え、必ず日焼け止めや長袖シャツの使用をよびかける「非常に強い」、「極端につよい」まで。

最南端の沖縄は全国で一番強い紫外線にさらされています。年間を通して日中は中程度以上の紫外線、もっとも強くなるのは7月。

砂川技術専門官「3番目に“非常に強い日”は3月から11月にかけて観測され、とくに4月から9月は月の半分が“非常に強い”状態が観測されている」

この時期にはすでに大量に降り注いでいる紫外線。しかし日中、私たちは外出しないわけにはいきません。それではシミを作らないために、日常生活ではどうすればいいのでしょうか。

渡辺教授「紫外線を避けるということに尽きるわけです。外に出る場合は日傘とか帽子、同時にサンスクリーン剤ですね。サンスクリーン剤をきちんと付けるということです。ただ、サンスクリーン剤を付けることの重要性は塗り残しがあるということと、たっぷり付けないと効果がない、汗などで洗い流されてしまうので2時間か3時間おきにつけないと効果がないということです」

サンスクリーン剤、日焼け止めの選び方ですが、製品に表示されているSPFやPAという値が参考になります。SPFの数値はUV−Bの防止効果、PAの+(プラス)の数はUVーAの防止効果を表すもので、いずれも数が増えるほど、紫外線を防ぐ効果が高くなります。

例えば散歩などちょっとした外出ではSPFは10前後、PAは+、炎天下でのマリンスポーツなどではSPFは30以上で、PAは++から+++(スリー・プラス)といった風に使い分けることです。

子どもの頃から、紫外線対策を行うことも重要です。世界保健機構では、子どもの紫外線対策を訴え続けています。18歳未満の細胞分裂や成長期の子どもたちは太陽光を浴びることが多く、そのときの日焼けは皮膚ガンや白内障などの発症のリスクが高まるという報告を92年に発表しました。

この保育園では数年前から、屋外では紫外線対策用の帽子をかぶることになっています。曇りの日ももちろん、外に出るときには必ずです。紫外線の強くなる日中を避け、外で遊んだり散歩をするのは午前中の早い時間か午後4時あとだということです。

垣花ウメ園長「UVガードという首のところを日に当てない帽子をかぶせたり、日差しが強いときは木陰で遊ばせるようにしています」

ひと頃の小麦色の肌の健康的なイメージから、日焼けは肌や健康に害をおよぼすというものへ変わっています。健康な肌を維持するために、日ごろからしっかりと予防することが必要です。

日焼け止めや長袖シャツを着ること、日常のちょっとした注意で紫外線を防ぐことができます。たかが日焼け、と侮らないことが大事です。