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先週、県内で最大規模といえる乳がん患者のための会が開かれました。患者さんが日頃抱えている悩みや不安をぶつけ合うその中に、命について語る女性がいました。彼女の生きる源を取材しました。

先週土曜日、300人もの女性が一堂に集まりました。彼女たちに共通すること、それは乳がんと闘っていることです。

今年1月に手術をした人「楽しかったです、みんなと同じ患者さんですから同じ気持ちになれるのが」

娘さんが乳がんのお母さん「私じゃなくて娘なんですよそれで今日は家族として参加した、普段聞いてあげられない部分患者同士で交流してさらに先生の話が聞けてよかった」

『With you』は、2002年東京で発足した乳がん患者のための会。患者さんの目線で語り合う場として、全国に広がっています。

沖縄での開催は初、日本中から、乳がん治療の専門医・看護師らおよそ100人。それに、県内の乳がん患者、その家族およそ350人が集まる、文字通り県内で最大規模の患者となりました。

患者さん「三年目に再発したんですねこれが5ミリの同じ場所だったんです3ヵ所」

三坂医師「全摘出でガンが再発する確立は少ないという話でしたが、実際最初の段階でガンがどの程度広がっていたかというのは診断する上で非常に難しくて映像で見えている(ガン)と取ってきた(ガン)ととでは違いが相当ある」

メインはこのグループワーク。普段自分の主治医にはぶつけられない悩みや疑問が次々に飛び交います。その中にこんな女性がいました。

比嘉富子さん「私は命を意識したのは再発してからなんです」

比嘉富子さん45歳。5年前乳がんと診断、全摘出手術を受けました。そんな時、富子さんが出会ったもの、それは太鼓でした。

富子さん「パワーの源。(太鼓を)見たら叩きたくなるいろんなことを忘れさせてくれるし」

同じく病いと闘っていた我如古さんと去年、本竹師匠に弟子入り。8月にはケントミとしてデビューを果たしました。

練習中「相手の太鼓と交代するときはワンパターンじゃないか!バカかお前は!」「すみません」

厳しい練習の毎日、「ここでは病気ではなく、俺と闘え。」師匠のその言葉に、富子さんはますます太鼓にのめり込んでいきました。

そのわずか4ヵ月後、富子さんは再発を告げられます。しかし、師匠の叱咤、ケンさんからの激励に、強い抗がん剤の副作用と闘いながら、太鼓を叩き続けました。

富子さん「太鼓叩いては吐いて来いって吐いてまた太鼓叩いて・・・ きつかったよねこのままいくのかなって」

我如古さん「あの時は僕も5月20日ステージに立っているかなーと」「すごいなーと思いますね目標を持って生きるすごい力あるなと」

再発と闘う富子さんに師匠からプレゼントされたのは、ケントミ初のコンサートでした。

本竹師匠「太鼓叩くのに精神的なものがあって楽しいというのもないと自分がやっていて楽しいからそれは何よりも最高の抗がん剤だと思う」

「回りの応援があって生かされている」富子さんは今、その事を実感しています。

そしてこの日、多くの患者達の前で、富子さんの力強い太鼓と我如古さんの優しい歌声が響きました。

富子さん「自分が精一杯でただたくさんの人たちから励まされながらこれに応えていかなければいけない今、自分の宿命みたいなものを感じるようになってきました」

太鼓を叩くのにはただでさえ、体力が必要なのに、富子さんはリンパ節の切除や抗がん剤の副作用でむくみや吐き気と闘いながらの努力は波大抵のものではないはずです。命と向かい合った二人の迫力の協演は、あさって日曜日うるま市で開かれます。