シリーズでお伝えしている決戦2007、参院補欠選挙。きょうは選挙戦中盤の情勢調査です。
参議院補欠選挙にはご覧の3人の方が立候補していますが、革新系諸派の狩俣吉正さんと保守系諸派の島尻安伊子さんの事実上の一騎打ちとなっています。
選挙戦の中盤情勢、朝日新聞社と沖縄タイムス社が実施した調査によりますと、保守系の島尻安伊子さんがやや先行し、革新系の狩俣吉正さんが追い上げています。
朝日新聞社と沖縄タイムス社はおとといときのうの2日間、県内の有権者を対象に電話による情勢調査を実施しました。調査はコンピューターで無作為に電話番号を抽出し、1000人の回答を目標に実施。電話がつながった1426件のうち、906人から有効回答を得ました。回答率は64パーセントです。この調査結果にQABが取材で得た情報を加えて分析しました。
今回の選挙に『大いに関心がある』と答えた人は全体の22パーセントで、『少しは関心がある』との回答を合わせると81パーセントとなっています。
また、投票に『必ず行く』と答えた人は76パーセントで、『できれば行きたい』を合わせると94パーセントに達しています。
そして注目の「誰に投票するか」については、保守系の島尻さんがやや先行し、革新系の狩俣さんが追い上げています。保守系の金城宏幸さんは苦しい戦いです。
男女別では、島尻さんが女性の支持を集めていて、狩俣さんが男性の支持をやや得ています。
年代別に見ると、島尻さんが20代、30代の支持が高く、狩俣さんは50代の支持をやや集めています。
地域別では島尻さんが自民・公明の活発な運動で企業の集票を中心に、那覇市を含む南部で支持を集めリードしています。一方、狩俣さんは名護市を含む北部で先行していて、北部地区労を中心に労働組合の運動などによって革新支持層の票固めが進んでいます。
また、政党別では島尻さんが自民支持層の8割以上と公明支持層を固め、民主支持層の一部を取り込んでいます。一方、狩俣さんは社民、社大、共産支持層をほぼ固め、民主支持層の7割以上を得ています。有権者の中でもっとも多い無党派層は狩俣さんがやや先行しています。ただ、投票態度を明らかにしていない有権者が3割以上いて、終盤に向けて情勢が変わる可能性があります。
最後に、今回の選挙でどういう課題について議論してほしいかを街で聞きました。
県民「雇用問題が切実」「基地問題、医療のこと」「子育て、教育面」「自分たちの生活に直結すること、税金問題とか」「憲法改正。良い憲法なので、変えるのはどうかと思う」「教科書でも沖縄戦に関する記述が削除されたりとか、このまま行くとどうなるのかと、心配な面がある。そういうところをきっちり話し合ってほしい」
有権者は雇用をはじめ経済振興や教育問題、そして、いま国会でものすごいスピードで成立へと進められている国民投票法案など、さまざまな課題に関心を抱いていることがわかります。ぜひ、候補者の政策をしっかり見て、投票してほしいものです。