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参議院補欠選挙にはご覧の3人の方が立候補していますが、革新系諸派の狩俣吉正さんと保守系諸派の島尻安伊子さんの事実上の一騎打ちとなっています。シリーズ決戦2007、きょうはそれぞれの政策です。両候補が最も訴えたいことを聞きました。

狩俣吉正候補「格差をこれからもどんどん広げる政治を認めるのか、格差をなくす、そういう政治を選択するのかということが」

これまで革新系の候補は「基地問題」を前面に出して選挙を戦ってきましたが、狩俣さんはあえて「格差是正」をテーマに経済の自立を強調しています。連合沖縄の会長を務めるなど、長年、労働組合に関わってきた経験から「経済の自立」を成し遂げることこそが基地依存体質から脱却し、沖縄が真に豊かになることにつながるととらえているのです。

狩俣候補「日本の景気が絶好調と言われているんですけど、全然実感がありません。私たち庶民は、税金がどんどん上がるし、負担もどんどん増える。もらう年金は削られていく。実は、これがある意味で格差の証」

民主党・鳩山由紀夫幹事長「格差というものを無視して行動することで良いですよと審判されるのか、あるいはやっぱり格差問題、大事じゃないですか?というのか」

女性たちは年金や介護保険など、より身近なテーマで格差是正を訴え狩俣さんをサポート。また、狩俣さん自身は、ふるさと宮古でも地域を活性化させることこそが沖縄の経済自立に、そして格差のない社会の実現につながると強調します。

狩俣候補「自立経済に必要なのは、外からお金を入れてくる。物を作って外から収入を得るというな仕組みです」

狩俣候補「もの作りはどこを中心にやるかと言えば、宮古とか八重山、沖縄本島の地方とか。いわゆる都市部じゃなくて、それぞれの地方」

狩俣候補「引っ張ってくれるのは観光産業、従ってそこに製造業をきちんと組み合わせていく。実は製造業を組み合わせるのは地域づくり、街づくりなんです」

島尻安伊子候補「実は台所にはいっぱい知恵が詰まっています。この台所の知恵を絞ることによって、私はこれからの社会問題に真剣に取り組んでいきたいと」

一方、妻であり、4人の子どもたちの母親という島尻さん。那覇市議会議員を2期務め、子育て問題に取り組んできた島尻さんは、教育や少子化対策、医療福祉といった生活に密着したテーマを訴えています。保守中道から推されて国政選挙に出る県内初の女性候補ということで、女性の目線・母の目線を最大にアピールしたいものと見られます。

島尻候補「子育て政策は色々出てきてはいるのですが、そのニーズ、子育て世代が何を欲しているのかを的確に当局は判断してほしいという意味で、現場の声をやはり吸い上げて持っていきたいと」

告示後最初の日曜日には真っ赤なエプロンを身に着け、国際通りを練り歩き、買い物途中の主婦たちに生活者の目線をアピールしました。

島尻候補「主婦が台所から飛び出してきたという風に、とらえてていただければと思います」

小池百合子総理補佐官「台所感覚の積み重ねが税の問題だったり、医療の問題だったり、環境の問題だったりする。台所レベルを国政まで広げて、本当に意味のあることができます」

島尻候補「この沖縄県、日本国中で一番子どもが多いとされながらも、やはりまだまだ子育て政策で遅れているところがたくさんあります。私はこの沖縄県、日本国中で一番(子育て政策の)進んだ最先県としての沖縄県にしていきたい」

取材した島袋記者に聞きます。狩俣さんは経済分野に力を入れていて、島尻さんは福祉問題をアピールしているという印象ですね。

島袋記者「狩俣さんは経済問題に非常に詳しいということで、具体的な施策をいくつも出してアピールしている。島尻さんは、母親の代表という立場から、親しみやすさということでイメージ戦略をしているという印象があります」

このほか、重要な政策についてはどんな考え方を示しているのでしょうか?特に基地問題は従来のような争点にはなっていないようですね。

島袋記者「まず、普天間基地の移設について、狩俣さんは国外移設を求めています。これまでのように単独で基地反対を訴えるのではなく、基地問題と経済問題、暮らしの問題を結びつけているのが特徴です。一方、島尻さんは現実的には辺野古も選択肢の一つだとしていますが、あえて積極的にアピールしていないと思われます。このほかにも、憲法改正についての問題は、狩俣さんは改正は必要ないとの立場、島尻さんは改正に柔軟な姿勢を示しています。

これらのテーマについてはあす、あさってのステーションQで詳しくお伝えします。以上、シリーズ決戦2007でした。