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旧平良市の産廃処分場で発生した火災で、健康被害を受けたとして住民らが起こした裁判。14日、那覇地方裁判所は業者に2500万円の支払いを命じる一方、県の責任は無かったとする判決を言い渡しました。

火災が起きたは2001年の11月。焼失面積はおよそ1000平方メートル。煙は1キロ離れた大浦集落を包み込み、一時は住民160人が避難。火は数ヶ月間にわたってくすぶり続け、多くの住民が、頭痛やめまいを訴えました。住民は当時、「臭いがすごかった」、「あんまり咳をするもんだから。もう咳がひどい」と訴えていました。

裁判で原告の大浦住民88人は、火災によって精神的、肉体的苦痛を受けたとして、業者と県におよそ6千万円の損害賠償を求めていました。

火災を起こした業者は数々の違法操業を行っていて、県から4年間に74回もの行政指導を受けていました。原告は、このような業者に対し監督すべき県が、業務取り消しなどの厳しい処分を課さなかったことが火災を招いた原因だと主張したのです。

14日の判決で、那覇地裁の田中健治裁判長は、業者に対して合わせて2500万円余りの支払いを命じましたが、「当時の処分場は、直ちに火災を惹き起こす状況でななかた」として、県の責任は認めませんでした。

この判決に原告団は「当たり前のことが本当に正されないという憤りを感じている」、「沖縄県みたいな廃棄物行政は到底許されないが、それを裁判所が理解できなかった」と憤りました。

処分場は現在、閉鎖状態ですが、廃棄物はそのままで、処分場からは汚水が流れ、隣接する海岸はヘドロ状態。原告が最も望んでいるのは現場の原状回復です。

判決を受けて、県は「主張が認められた正当な判決」とコメントしていて、原告は現在、控訴を検討しています。