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いつも眠い、夜間トイレで度々目が覚める、いびきが大きい。これらの症状はありませんか?もしかすると、睡眠時無呼吸症候群かも知れません。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞にもつながるこの病気、成人の夜間の突然死の原因のひとつとも言われています。今日は『睡眠時無呼吸症候群』の検査と治療法についてです。

2003年、山陽新幹線で起きた列車のオーバーラン事故。運転手の男性の居眠り運転が原因でした。しかし、後の検査でこの男性、重症の睡眠時無呼吸症候群であることがわかりました。

この病気・・・『夜間の睡眠時に、無呼吸状態が10秒以上続き、1時間に5回ないし、1晩に30回以上起こる場合』と定義されています。

沖縄では、睡眠呼吸障害の患者はおよそ6万人いるといわれています。

名嘉村クリニック・名嘉村院長「その病気自体の死亡率が高いというのと、高血圧が多い、脳卒中が多い。眠気の為に大きな事故に関係するというような特徴があって、最近の研究でも明らかになっています」

睡眠時の事だけに、病気を自覚するのは難しいのですが、簡単に診断出来るチェックポイントがあります。それは・・・

1.いびき
 2.夜間、排尿の為に2回以上トイレに行く
 3.朝起きても頭がすっきりしない。昼に眠気がある
 4.高血圧である

浦添市にある名嘉村クリニックは、睡眠障害の診断・治療を専門に行う病院として6年前に開業しました。

又吉さん「動機は家内が、お父さんはいびきがすごいと。途中で止まったりなんかするから、そういう病気をみる先生がおられるよというのを聞いて・・・」

又吉さんは、10年以上この病気の治療を続けています。

名嘉村院長「又吉さんの場合、一番ひどい時は1時間に71回息が止まっているんですね。一晩では351回止まっています。治療して続けていると1時間に1.7回、一晩に10回とかになる。無呼吸は普通5以下は正常なので、正常化している」

この病院では、睡眠と関連して起こる病気を診断するため、睡眠ポリグラフィーという検査を行っています。睡眠時の脳波・目の動き・呼吸の状態・心電図・酸素濃度などを調べていきます。

「この方は頻繁に息が止まっているので正常呼吸がなかか見えにくくなっているんですが、息が止まると苦しくなるわけです。苦しくなるとどういうことが起こるかといいますと、脳が起きて、呼吸してくださいと命令を出します。寝ている状態の脳波が、こう起きている状態の脳波に変化するわけですね。酸素状態はやっぱり息が止まるので下がります」

つまり、無呼吸の場合は本人に自覚がなくても脳が頻繁に起きている状態となるため、日中の眠気や倦怠感につながるわけです。

検査の結果、無呼吸症候群であると診断された場合、軽度であればマウスピースの着用で改善されますが、重度の場合は、Cパップという治療が有効です。

無呼吸は上気道が塞がって起こるため、就寝時に鼻マスクを着用し、室内の空気を圧縮して送り込むことで、気道を開かせるというものです。1998年からは医療保険も適用されるようになった治療法です。

名嘉村医師と琉球大学の共同研究では、睡眠時無呼吸症候群と診断された後に、治療を行った人と行わなかった人とでは、10年後の生存率に2割の差が生じることも明らかになっています。

質の良い睡眠は健康の源とも言われます。重大な病気につながる前に今一度、あなたの睡眠見直してみてはいかがでしょうか。

いびきがひどい、朝起きてもどうもすっきりしないなど、自覚症状のある方は一度、睡眠ポリグラフィー検査受けてみてはいかがでしょうか。県内では名嘉村クリニックをはじめ、総合病院などで行っていて、検査費用は1万5180円ということです。