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先月11日、教育基本法改正の賛否を問うシール投票が全国31か所で行われました。沖縄では琉球大学構内で学生を対象に行われました。

投票の設問は「教育基本法を変えたほうがいい・分からない・変えないほうがいい」の3点。1時間という投票時間の中で、323人の学生が赤色のシールを貼り付けました。

変えたほうがいいに投票した学生「教育基本法自体どういうのか分からないから何とも言えない。変えるべきところも探せばあるんじゃないかという意味で、変えたほうがいいと」

変えないほうがいいに投票した学生「教育を受ける側の人たちに判断してもらったほうがいいんじゃないか。そのためには変えないで」

投票の結果、教育基本法は変えないほうがいいは174票。分からないは88票。変えたほうがいいは59票。

変えたほうがいいに投票した学生の多くは「何となく」「今の状況に合わないから」「時代の流れだから」と答えました。

教育基本法改正問題に対して精力的に発言するジャーナリストの斎藤貴男さんは、教育の理念を示す基本法が改正されることに強い危機感を示します。

ジャーナリスト・斎藤貴男さん「力のある人たちは、これ(教基法)が変えられたからといってどうってことはない。それ以外の人たちは、こういう教育基本法によって得られる良さというのは基本的にほとんどない。すべて自分たちの自由なり、尊厳なり、命なりが収奪されてしまう方向になるんだということを、ぜひ考えてもらいたい」

政府与党はいじめや学力低下、学校荒廃などの問題は現行の教育基本法の下では解決できないとするのがその主張で、そのためには法改正が必要だとしています。しかし、その内容を見れば、わが国と郷土を愛する態度を養うこと、そして道徳心を培うことが柱となっています。

高教組・松田寛委員長「この国の将来が今、非常事態宣言を発せざるを得ないという形で考えています」

教育基本法改正に反対の運動を展開してきた沖教組と高教組は、ついに教育の危機、非常事態を宣言しました。

教職員組合は、住民を巻き込んだ沖縄戦の悲劇は戦前の教育がその役割を担ったと指摘し、再び愛国心や道徳を押し付ける教育に戻ろうとしていると、教育基本法改正の狙いを批判しています。

高教組・松田寛委員長「県と教育行政が一緒になって動員をしていった。17歳以上が召集義務があるにもかかわらず、こういう役割を果たしてきた。これはまさに皇民化教育は、国のための教育はそのままストレートに入っている」

しかし衆議院本会議場では野党が欠席する中、自民・公明両党によって改正案が強行可決され、現在、参議院で審議が行われています。

教育基本法改正問題が大詰めを迎える中、沖縄弁護士会は改正に反対する緊急声明を発表。権力機構としての国家を愛することを強要することにつながりかねないと、改正反対に立ち上がりました。

ジャーナリスト・斎藤貴男さん「これ(教育基本法改正)がきっかけとなって必ず憲法も変えられて、アメリカといつも戦争をしている国に確実になります。沖縄はその中で、日本中で最も被害が大きい。また被害が大きいだけでなく、アメリカ軍と日本の自衛隊が一体となって戦争を行う先の国の人たちにとっては一番の加害者ということになってしまいます。そのことをぜひ理解していただいた上で、市民運動でも、学校現場でもそれぞれができるところで、何としても食い止めるという努力をしてもらえれば」

参議院では今月8日にも強行採決するとの動きがあり、教育基本法改正をめぐるせめぎあいは予断を許さない状態となっています。