※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

今回の知事選には革新系が推す糸数慶子さん、琉球独立党の屋良朝助さん、そして保守系が推す仲井真弘多さんが立候補し、事実上、糸数さんと仲井真さんの一騎打ちとなっています。

県内の失業率は依然として高く、9月の県内の完全失業率は7.8パーセント。改善の兆しが見えない失業率の問題は県政の重要課題に挙げられています。特に若い世代は失業率も高く、およそ3万人が仕事のないという深刻な状態です。

きょうは有利に仕事に就きたいと訓練施設で資格の取得に励む若者の思いと糸数さん、仲井真さんの失業率に対する政策を紹介します。

まだ夜も明けない午前6時。東村にある職業訓練施設、沖縄産業開発青年隊の一日が始まります。現在、10代から20代の隊員が職業訓練を受けています。

朝の点呼に始まり、マラソン、トレーニングと隊員は集団生活を送りながら働く際に必要な資格を取るための訓練を行っています。そのメンバーの一人、上原隼人さん、24歳。隊員をまとめる隊長を務めています。

県内や県外で職を転々としていた、いわゆるフリーターだった上原さんは定職に就くために資格を得ようと青年隊に入りました。メンバーのほとんどは上原さんと同じように、将来の仕事に役立つ資格を得ようとここにやってきます。

訓練の一環として行われる農業の実習。資格取得のカリキュラムのほかに、体験を通して働く喜びを育てる時間が設けられています。

午後からは実際に資格取得に向けた実習です。青年隊では半年の訓練期間で小型クレーンの運転や溶接技能など、10の資格をとることができます。資格を生かし社会で即戦力として働く技能を養います。

上原さんはフォークリフトの操作を学びます。上原さんの就きたい仕事は重機を扱うオペレーターです。隊を卒業したらすぐに就職して働きたいと考えている上原さんですが、県内の失業率の高さが気にかかっています。

かつては就職率90パーセントから100パーセントと高い水準を保ってきた青年隊の就職率ですが、失業率が高い現在、50パーセントから70パーセントに落ち、資格を取っても働けないという状態が続いています。

卒業後の不安。上原さんは卒業前から就職活動を始め、重機を扱う建設業で働く場を得ようと考えていますが、中小の企業が多い県内の建設業者を取り巻く環境は厳しい状況です。

働きたくても働く場所がない。この若者たちの訴えに2人の候補者はどう考えるのか?

糸数慶子候補「失業率を半分に減らしていきたいという目標を持っています。具体的な方策としては、観光・製造・建設が連動した新しい公共工事を展開していきたい」

仲井真弘多候補「仕事の紹介、職業訓練をきちんとやれば吸収できると思っている。本土並みの失業率まで持っていくことは難しいが、実現可能」

青年隊の卒業は来年3月。卒業後、働く場所が確保できるのか?そんな不安を抱えながら、隊員の就職に向けた訓練は続きます。