沖縄もすっかり涼しくなりましたが、長かった夏の疲れで体調がいまひとつという方、いらっしゃいませんか?なかでも、おなかの調子が良くないと言う方、それは腸内の免疫力が落ちてしまっているかもしれません。今回は「腸管免疫」について考えます。
腸をとりまく神経は大脳や自律神経とつながっています。ストレスでおなかを壊す人もいます。腸が「考える臓器」といわれるゆえんでしょう。腸の働きは食べ物を消化して栄養を取り込むことですが、腸は体内最大の免疫装置でもあります。病原菌などから身体を守り、私たちの健康に大きく関与しているのです。
慶応義塾大学医学部・日比紀文教授「腸管というのは消化・吸収に大事である。その表面積を広げてみると、だいたいテニスコート1面以上になってしまう。ということは人間の体の中で常に腸の細菌とか食事とかに暴露されている、最大の場所なんです。それに対して防御反応をしなくてはいけない。防御するために人間の中で結局は最大の免疫装置を持っていることになる」
病原菌から体を守る免疫の調子が悪くなると様々な病気を引き起こす原因になります。では、腸の健康を保つためには、どうすればいいのでしょうか。
日比紀文教授「体全体を健康に保つのと同じで、いわゆる規則正しい生活ということになる。そういう中では暴飲暴食というのは非常に悪い。睡眠不足。こういうものはすべて免疫装置を落とすことになります。例えば睡眠が不足してくると免疫機能は落ちてきますから、体に変調をきたすことは、皆さん経験していることです。実はそれは腸の中の免疫機能が落ちるために、色々なものが体の中に入りやすくなる。それを排除できないようなものも出てくる。例えば風邪をひき易いということも、もしかしたらそうかもしれない」
では、腸をいい状態に保つには、どうすればいいのでしょうか。腸の中には、体の健康維持に役立つ善玉菌や有害な悪玉菌など、100兆個以上の細菌がすんでいますが、そのバランスを崩すと体調にも影響するというのです。
腸内細菌のバランスを整えるのがヨーグルト。腸の機能を高めるといわれますが、ヨーグルトはなぜ、おなかにいいのでしょうか?
東北大学農学研究科・斎藤忠夫教授「腸内のpHが確実に下がる。一般に悪い菌といわれている悪玉菌、人に対して有益ではない菌、これはpHがちょっとでも酸っぱくなるといいますか、酸性度が下がると一気にはえなくなる。そういう意味では乳酸をとることによって腸内の悪い菌は確実に減らすことができる」
pHとは、その物質が酸性かアルカリ性か中性かを示す物差しで、7より小さい場合が酸性です。そして数字が小さいほど酸性が強くなります。斎藤教授に市販のヨーグルトのpHを測ってもらった結果、およそ4.0で酸性でした。
どこでも手軽に食べられるヨーグルト。いろいろな種類や味が揃っていますから、まず自分に合ったヨーグルトをえらびましょう。体の中の最大の免疫装置、「腸」。お酒の飲み過ぎや食べ過ぎ、寝不足といった不摂生は、腸の働きを弱め、体調をくずしてしまいます。ヨーグルトなども上手に取り入れ、腸の健康についてあらためて考えませんか?
おなかの調子がよくないと、風邪をひいてしまうこともあるとはちょっと驚きでした。昔からよくいわれる「お腹にはヨーグルト」ですが、乳酸をとることで腸内の状態がよくなるのは確かなようです。美味しく食べてお腹から健康的にいきたいものです。