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11月19日の知事選まで1か月に迫りました。出馬を表明した与党の自民、公明が推す前の県商工会連合会会長の仲井真弘多さんと、社民、社大、共産、民主、自由連合が推薦する参議院議員の糸数慶子さんの2人は、事務所開きと政策発表も済ませ、本格的な選挙運動に乗り出しました。

超短期決戦の知事選。仲井真さんと糸数さんの動向を追いました。担当の金城記者のリポートです。

13日午後、県庁で県選挙管理委員会の立候補者説明会が開かれました。

説明会参加者「出馬する意思があって説明会に来たが、泡沫もいいところ。今回は勉強に来たということ」

知事選の立候補者が4人。県選管も戸惑った様子ですが、結局は与野党、事実上の一騎打ちとなります。

仲井真さんは那覇市銘刈に選挙事務所を設置。事務所開きでは自民、公明と経済界の支持者が広場を埋め尽くし、さながら出陣式の様相を呈しました。

稲嶺恵一知事「仲井真弘多さんは私よりずっと優秀だし、能力もあるし、気力もある人です。こういう人に、これからどんどん頑張ってもらって、花を咲かせてもらわなきゃならない」

糸数さんも選挙事務所を那覇市銘刈に構えました。事務所開きには野党5党の幹部や労組、支持者らが大勢詰め掛け、難産の末に統一候補に決まった糸数さんのスタートに気勢を上げました。

伊波洋一宜野湾市長「新たな基地の島にしていいのかどうかという、このような県民投票にも似た機会を、ぜひ慶子さんに本当に頑張っていただきたい。それを支えている皆さんが一丸となって、この知事選挙を勝利していきたい」

仲井真さんは稲嶺県政の後継者に決まり、知事に協力要請を行うとともに、政府与党・自民党から支援を取り付けました。一方の糸数さんは民主、社民、共産、新党日本の代表らが勢揃い。衆参の補選を上回る支援態勢をアピールしました。

折りも折り。日本の自衛隊を含めたアメリカ軍再編成。その渦中に巻き込まれる沖縄の知事選。まさに国政を二分する状況となっています。

仲井真弘多さん「普天間飛行場の危険性を一日でも早く除去するために、キャンプ・シュワブ内に暫定ヘリポート機能を緊急に整備することを含め、あらゆる方策を検討し、問題解決に取り組んでまいります」

糸数慶子さん「普天間基地の即時閉鎖、返還を求め、主体性を持って日米両政府に強く働きかけます。辺野古沿岸案、V字型案に反対し、米軍基地の整理、縮小、撤去を目指します」

国の三位一体改革に伴う市町村合併。地方分権の時代と言いながら、財源や権原の移譲も不透明なままです。それに輪をかけるアメリカ軍再編成。高い失業率と医療福祉の引き上げに悩む県民。課題山積のいばらの道を進むしかない沖縄の知事のイスに、仲井真さんと糸数さんは挑もうとしています。

仲井真さんと糸数さんの基本政策です。基地問題ひとつをとっても、仲井真さんは、普天間の県外移設ということは語らず、「知事になってから検討する」と問題を先送りです。一方の糸数さんは「普天間の即時返還」を訴えますが、では移設の間にどうするのかといった具体的な方策を示していません。基地問題に関する限り、2人の考えが県民には一向に伝わらず、それが知事選1か月に迫ってもなお盛り上がらない原因となっています。

運動の立ち上がりの遅さという側面も否めませんが、県民は何より具体的な政策と争点の明確化を求めており、仲井真さんと糸数さんには、争点はずしではなく、県民の求めに応えたより確かな政策を示してほしいと思います。