思いは複雑です。普天間基地の移設に伴い、名護市教育委員会がキャンプシュワブ内の埋蔵文化財を調査するため基地への立ち入り調査を試みましたが市民団体などの阻止行動に遭い調査を見送りました。
防衛施設局の依頼を受けてキャンプシュワブを訪れたのは、名護市教育委員会文化課の職員10人。埋蔵文化財の調査のため基地に入ろうとしたところ、市民団体のメンバーや住民らによる阻止行動に遭いました。
市民団体の代表「教育庁として問題ありますよ、退去お願いできませんか」名護市教育委員会・島福善弘主幹「我々も文化財を守るという立場で、教育委員会の考えで行動していますので」「入れなければ(ここに)いても意味が無いので、はい」
『きょうは入りません』と言い残して去っていく教育委員会の職員。
平和市民連絡会・平良夏芽共同代表「文化財調査自体は別に反対しないんですけど、基地建設を前提とした調査はやはり認めるわけにはいかないということでとめさせていただきました」
その後、市では防衛施設局と教育委員会の職員が今後の対応を話し合っていました。
(Q.どんな話をしたのですか)
那覇防衛施設局・岡田康弘施設部長「まあ色々と今の状況とかをお話して相談しました。(Q.調査は明日行う予定ですか)いや、そこはまだちょっとこれからまたご相談しますので」
名護市教育委員会文化課・島福善弘主幹「文化財を守るための調査ですから、反対の中でですね、やるような調査ではありませんので」「そういう調査できる状況になればですね、調査をやりましょうと」
キャンプシュワブ内には1,700年から1,000年前のものとみられる遺跡が確認されていて、今回の調査で埋蔵文化財が出る可能性が確認されれば、試掘調査が実施されることになります。
ただ、今回の調査は、兵舎2棟の移設が予定されている辺野古集落近くの緑地で、そこ以外の調査は許されていません。できることならしっかり基地内全体を調査したい教育委員会側は、防衛庁主導の今回の調査にも疑問を感じています。
名護市教育委員会文化課・島福善弘主幹「(遺跡が)どこまで広がっているかとかですね、どういった性格の遺跡かというのは文化財保護側(文化庁)がやる調査ですので、そういう中で予算も検討しておりますし、県や文化庁ともですね、調整をしております」
市の教育委員会は文化庁に対して、基地建設とは関係なく埋蔵文化財の調査のための予算要求をすでに進めていて、突然出てきた今回の調査に、委員会の職員は複雑な思いを抱いています。