あす開催される普天間代替施設協議会。普天間基地の危険性除去の方法がはっきりしないまま、見切り発車の形です。
普天間基地の新たな移設計画などを地元と話し合うため国が設置する協議会への参加の是非を巡って、県は三役などで話し合った結果、参加する方針をほぼ固めました。
県はこれまで普天間基地の危険性を早期に除去するためキャンプ・シュワブの陸上に暫定的なヘリポートを建設する案を議題にしなければ協議会には参加しないと言う考えを示していました。一方の政府は、県が示す暫定へリポート案には否定的ながら普天間基地の一刻も早い危険性の除去のための方法を議論する姿勢を見せていることから県側も、話し合いのテーブルにつくことを決断しました。
しかし、あすの協議会の冒頭で小池沖縄担当大臣の「振興策は新たな移設計画の進み具合次第」という内容の挨拶案が示されたことから参加の是非を巡り混乱しました。
花城知事公室長「基本的に、県も北部も移設計画とリンクされるような振興策の扱いに反対ですから。あくまで北部振興は平成11年の閣議決定で約束されたものであって、それは継続される必要がある」
結局、県としては北部市町村に対する振興策を優先した形であすの参加を決めました。きょうの顛末、今後はどうなるのか、記者解説でお伝えします。
Q:『振興策は移設計画の進展しだい』という小池大臣の発言を巡って、県はきのうから二の足を踏んでいたんですが、この問題は解決したんでしょうか?
表面上は、県が協議会に参加するということで解決したように見えますが、振興策の問題は全く解決していません。こちらのフリップで、県と政府の立場をわかりやすく『相撲』にたとえて整理してみました。
政府としては、振興策、つまりお金をあげるのだから、キャンプ・シュワブ沿岸への移設計画もしっかり進めなくてはならない。その進み具合に応じた振興策だという考えなのです。しかし県は、振興策は移設計画とは関係なく進めてもらわなくては困るという姿勢を継続してきたのです。
それでも県が協議会に参加する姿勢を示したのは、やはり北部振興策を今、打ち切られてはこまるという心配が一番の大きな理由です。
Q:県はこれまでずっと普天間基地の危険性の除去のためにとりあえず暫定的なへリポートをキャンプ・シュワブの陸上部分につくる案を主張してきたのですが、このヘリポートについて協議会ではきちんと話し合われるのでしょうか?
暫定へリポート案が協議会の場で話しあわれるという担保は今の段階では何もありません。防衛庁の額賀長官も「辺野古沿岸部にV字型に滑走路を作る政府案は原則として変えない」と明言していて、ヘリポート案は本当にただの案だけに終わってしまう可能性が大きい状況です。
それでも県としては、次の知事選挙が11月にあって知事の方針を受け継ぐ候補に当選してもらうためには県と政府のパイプを断ち切ってはいけないという考えがあります。
県はもう政府の土俵で相撲を取ることを決めたわけですから、目先の一番大きな問題である普天間の危険性除去のために主張できるところははっきりと主張してほしいと思います。
県と政府、地元による初めての協議会はあす午前8時から総理官邸で開かれます。