八重山商工の試合が終わって、少しずつ車の往来が激しくなってきた石垣市のメインストリート、730交差点に来ています。惜しくも3回戦で涙を飲んだ八重山商工。甲子園で最後まで力いっぱい戦った堂々のプレーは、応援した多くの人の心に感動と夢と与えてくれました。
夏の甲子園、県代表の八重山商工はベスト8進出をかけて和歌山の智弁和歌山と対戦しましたが、3対8で敗れました。では、きょうの第3試合の模様を改めて振り返ります。
きょうの先発はエース大嶺。伊志嶺監督から120パーセントの力を出せと言われた大嶺は初回、力で押すピッチングから打たせて取るピッチングで智弁打線を3者凡退とします。
その裏、智弁の先発・松隈も丁寧なピッチングで八重山打線も3者凡退。
試合が動いたのは2回裏、この回先頭の4番羽地。1ヒット1エラーでノーアウトランナー2塁。大嶺は三振に倒れますが、続く6番の金城賢司の当たりで八重山商工が1点を先制しました。
1点リードをもらっての大嶺はランナーを出しながらも、要所を締め智弁に得点を許しません。
八重山商工は3回裏、1アウトからキャプテン友利がヒットで出塁。そして東舟道のラッキーなあたりで1アウト1・3塁。続く金城長靖の内野ゴロの間にさらに1点を加え、2点のリードを奪いました。
しかし、伝統校の智弁。5回、1アウトから古宮が2ベースヒットで出塁。続く上羽の当たりはセカンドのエラーが記録され、1アウトランナー1塁3塁、大きなピンチを招いてしまいます。そこで向かえたバッターは怖い怖い広井。広井のホームランで2対3と一気に逆転を許してしまいました。
しかしその裏、先頭の仲里が2ベースヒット。そして奥平の上手いバントでノーアウトランナー1塁3塁としてバッターボックスにはキャプテンの友利。きっちりと犠牲フライを挙げ同点に追いつき、ゲームは振り出しに戻りました。
しかし7回、智弁は2アウト2塁から前の打席で3ランを放った広井。あたり損ねた打球で2アウト1塁3塁。4番バッターの橋本の当たりで3対5と突き放されます。智弁はこの回さらに1点を加えます。8回にも1点を加え、3対7。4点差とされ大嶺がマウンドを降りました。
しかし変わった金城長靖も広井にホームランを打たれ、3対8。なんとか逆転のチャンスをつかみたい八重山商工でしたが、智弁のエース竹中に押さえられ、迎えた最終回。2アウトランナー1塁・・・
「試合終了」
残念でしたが、試合後、選手の皆さんは割合はつらつとした表情でした。その試合直後のインタビューです。
大嶺祐太投手「自分の持っている力を全力で出して負けたので、悔いはないです。負けた悔しさを忘れずに、もう一度野球を必死でやってがんばりたい」
金城長靖選手「不発で終わってしまったが悔いは残したくなかったので、最後は笑って終わりました」
友利真二郎主将「高校野球のチームとしては終わりますが、野球をしていることで繋がると思うので、それを繋げてまた野球生活をしていきたい」
伊志嶺監督「大きな夢が島の子どもたちによって実現できた。一生懸命頑張れば、小さな島からでも実現できる。やればできるということがわかった」
では、もう一度石垣にいる上原さんを呼びましょう。上原さん、残念でしたね。
上原記者「残念ながら破れてしまいましたが、八重山商工を応援していた全ての人たちは『最後まであきらめない』と、気持ちは商工ナインと一緒だったと思います。どこよりも熱く盛上がった石垣市での応援の様子をご覧ください」
島の宝、八重山商工ナインを応援しようと、この時期多くの観光客が訪れる商店街や、いつもは静かな市役所でも大型スクリーンを構え、遠く離れた選手に熱い声援を送ります。
そして、石垣で一番大きな応援団といえばなんといっても、こちら。八重山商工の体育館に集まった生徒や地域の人から観光客まで、およそ400人余りです。
後攻めの八重山商工が、先制点をあげると、島中がわき上がります。
5回には逆転され、一瞬、会場が静まり返る場面も見られましたが、この裏、打線が繋がった八重山商工、すぐに同点に追いつきます。
しかしこの後。相手チームにリードを許すと、残念ながらここで試合は終了。
「試合には負けたけど、とても幸せな気持ちで帰れます」「彼らが頑張ったことで、自分も励まされた。お疲れさまって言いたい」
QABではこれまでの3試合、甲子園からふるさと応援実況でお伝えしてきました。こちらにあるのがテレビをごらんの皆さんから寄せられた八重山商工への応援メッセージです。ありがとうございました。八重山商工の選手達あさって、石垣に戻るということです。