在日アメリカ軍再編の最終報告で、海兵隊員8000人とその家族あわせて1万7000人の移転先となったアメリカの準州、グアム。そのグアムの副知事が先週末沖縄を訪れ普天間基地などを視察しました。
カレオモイラン・グアム副知事「私たちは在日アメリカ軍再編の最終合意を歓迎します。そして太平洋地域でのグアムにおけるアメリカ軍の役割をしっかりサポートする考えで、今回の沖縄訪問は、更に基地機能を受け入れるためにはどれだけのインフラ整備が必要かを調査することが目的です」
沖縄を訪れたグアムの副知事、カレオ・モイランさん。ことし11月の選挙で、時期知事との呼び声も高い人物です。初めて訪れる沖縄で、早速、普天間基地を視察したモイランさんは街の真ん中にある飛行場にあぜんとします。
伊波洋一市長「向こうに見える大学に(米軍ヘリが)落ちたんですね。いまあそこにクレーンが見えますが、それはあの(ヘリが)落ちて全部使えなくなった本館ビルをいま建て直しているところなんです」「グアムにとって悪いような形にならないような形で基地が移っていけばいいんだがなと、こう思っています」
カレオ・モイラン副知事「アンダーセン基地に隣接するノースウエスト・フィールドが整備され、そこにこの基地を移すことができればいいと思います」
8000人の海兵隊に加え、普天間基地の受け入れにも前向きなモイランさんの答えに伊波市長は期待を示します。
伊波洋一市長「ノースウエストエアフィールドという普天間飛行場くらいの飛行場があります。今使われていないんですけれど、滑走路もあるわけで、まあそういうことにも言及していただいて」「ありがたかったと思います」「将来、知事にもなりそうな、なる予定の人でもあるということでもありますので」
と語る伊波市長にこんな質問もしてみました。
(Q.(11月に)両方が知事になっているという可能性もありますか?)
「まあ、それはどうでしょうね、ハハハ、まあ色々新聞ネタをですね、いきなり僕が否定するわけにもいきませんけれども、まあ、今はないんじゃないですか、ハハハ」
と、この表情。知事になってモイランさんとともに普天間基地のグアムへの移転を実現できればと思い描いているかもしれません。
カレオ・モイラン副知事「騒音や事故などから市民を守りたいという伊波市長の思いはよく分かります」「アンダーセン基地に隣接するノースウエストフィールドは住宅地域とも離れているので移設先に適していると思いますし、私たちはそこに普天間基地が移設されることを支援します。」
基地を受け入れるモイランさんの胸には、受け入れに伴って水や電気など、十分とはいえない島のインフラ整備が進むという大きな期待があります。
カレオ・モイラン副知事「重要なのは、インフラが基地のためだけでなく、基地の外の市民生活のためにも整備されなくてはならないということです。そうすることによって市民は基地を支えることができ、同時に自らの経済力を高め、グアムの発展につながるのです」
モイランさんは県庁で牧野副知事と面談し、今後グアムでのインフラ整備を進めるにあたって沖縄の技術力や労働力の協力を求めました。モイランさんを中心にした動きが今後どう影響してくるかは未知数ですが、普天間基地のグアムへの移転につながる動きには違いないと言えそうです。