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憲法が改正されると、基地の島沖縄が一番に危険な情況に置かれると憲法学者は指摘します。今回の憲法改正論議の柱は9条を改正して自衛軍を持つことで、これによって日米軍事同盟を強化しようという狙いがあると言われています。金城記者のリポートです。

「変える変えないはともかくとしても、やはり戦後60年ということで皆さん考えるいいチャンスではないか」

「憲法改正、それは反対です。戦争になるかもしれないので」

今月、日米両政府は米軍再編協議で最終合意し、県内の基地を米軍と自衛隊が共同使用できる態勢を打ち出しました。

アメリカの対東アジアの戦略上、沖縄は欠かせない存在であり、このため後方支援としての日本は、これまでPKO法で自衛隊の海外派遣を可能にし、周辺事態法、国民保護法を次々と成立させ、日米同盟を強化。自衛隊を軍隊に格上げするため、総仕上げとして憲法改正を国会の審議日程に載せてきたのです。

そして今、憲法改正論議が山場を迎えていますが、この改正論議、沖縄にとってはかなり身近な問題なのです。琉球大学大学院の高作正博助教授は、憲法改正問題はアメリカの世界戦略の一環としてとらえ、沖縄は再編で基地機能が強化され、国内でも一番危険な情況に陥ると警鐘を鳴らします。

高作正博琉球大学大学院助教授(憲法学)「北朝鮮内部で内乱が起こって隣国としては放っておけないと、おそらくアメリカは行くだろう。アメリカが行くだけでは済まないので、自衛隊が後方支援で行くだろう。そうなるとアメリカと自衛隊は北朝鮮にとって敵国となりますので、日本を攻撃できます。日本を攻撃する権限がありますから、ミサイル撃って沖縄県に落ちました。その一発で日常生活は終わります」

憲法改正はそもそも基地の島の沖縄が被害を受けるものだと、高作助教授は言います。

「改正の方向に進んでいる。沖縄としてはあれだけの犠牲をこうむっているから、平和憲法、9条を改正しない方がいい」

「(軍隊を)持つことによって(平和を)保つというのが今の状況です。ですけど軍隊を持たないで平和になる世の中になったらいいんですけど」

では、被害をこうむらないためには、沖縄はどうすべきなのか。

高作正博助教授「主権者がノーと言うことが重要で、ノーと言えるだろうと私は思います。そのためには今のうちから(憲法の重要性を)考えようとやっていけば、国民自らが改憲に対してはノーと言ったという歴史的な事実が残るのではないかと、私は期待しています」

憲法はよく空気のような存在だと言われます。普段は強く関心を持つといったものではないのですが、今の憲法改正論議の動きを見ると、私たちは憲法についてもう一度見つめなおす必要があります。