沖縄高専「部員を支える若き監督」
5年間の一貫教育、沖高専ならではの環境で練習に励んでいます。
グラウンドに現れたのは貞包空海さん、20歳。沖高専・専攻科の1年生で3年前まで野球部の主将をつとめ、以前番組にも出演しました。
速報めざせ 貞包主将(当時)「最後の試合なので楽しんで1勝できたらいいなと思ってます」
コロナ禍で練習さえ思うようにできなかった当時を振り返ってもらいました。
貞包 空海 監督「コロナになって1年生はフルにできたけど2年生はほぼ出来なくて3年の頭ちょっとぐらいチームメイトと仲が良いのもあって「最後までやるか」という感じで3年の最後の大会に出ました。野球好きだからじゃないですか、楽しかったです」
あれから3年。
彼は現在、沖高専の監督を務めています。苦しい時期を乗り越え、監督になった貞包さんには部員たちに経験してほしいことがあります。
貞包 空海 監督「部活動の野球を通してチームの動き方先輩・後輩と関係を築いてそれを学業に繋げてほしいと思います」
沖高専の野球部は3年生が3人、2年生は4人。下級生には野球経験の少ない選手も。
2年浅野愼舷(あさの・せんげん)選手「野球は中体連で負けたので、その後は陸上をやっていました(野球部は)楽しいですよ先輩も良い人たちです」
山城優希(やましろ・ゆうき)主将「3年生が抜けた後、僕と平川慧の2人だけだったので「野球部に入っている意味はあるのかな」みたいな感じがしました」
平川慧(ひらかわ・けい)選手「人がいなくて練習していましたが楽しくできない。中学校みたいに楽しくできなかった野球を続けたら友達と対戦できると思って続けました」
北井一樹(いつき)選手「先輩がいると思っていたが同級生の2人しかいなくてびっくりしてどう練習するか?どう試合をするのか?不安はありました。やめようかなと思ったこともありますが他の2人も頑張っているので自分も頑張ろうと思って続けました」
野球を続けるかどうか悩んだ部員の力になったのは一番近い存在で先輩でもある貞包(さだかね)監督でした。
貞包 空海 監督「一番頑張ってるキャプテンです」
北井一樹(いつき)選手「こんなに優しいのは空海さんです。空海さんだけですね親しみがあって良いです」
実は貞包監督は部員たちから「監督」ではなく「空海さん」と名前で呼ばれているのです。
貞包 空海 監督「大人の監督ではないと思います、卒業したら県外に行くので沖縄に残らないからあと1年は続けると思います。その後は後輩にどんどん繋いでもらおうかと思うので・・・」
慣例としてOBが監督を務めることが多い沖高専。部員たちもそれを意識しながら練習に励んでいます。
平川慧(ひらかわ・けい)選手「山城君に監督やらせて自分がコーチやりたいです」
北井一樹(いつき)選手「自分も監督として勉強して頑張っていきたいと思います」
貞包 空海 監督「少ないじゃないですか甲子園を経験している人は素晴らしいと思います優勝して甲子園に行って欲しいです」
北井一樹(いつき)選手「最後なので3年間の成果を発揮できるように毎日しっかり練習して頑張りたいという気持ちになりました。」
平川慧(ひらかわ・けい)選手「今年も盛り上がれると思う」
山城優希(やましろ・ゆうき)主将「相手がどんなチームでも楽しくやっていこうと思います」
コロナの影響で満足に練習できなかった貞包監督は、現役部員のために野球を続け、部員は一歩でも甲子園に近づくために練習にとりくみます。
部員全員「ぜったい勝つぞ!」
高校球児は3年で終わるが、4年生5年生の部員たちも野球部にとっては次の世代に引き継ぐための大切な役目を担っている。