那覇商業「甲子園出場から30年 世代越えつなぐ思い」
初日のきょうは那覇商業です。野球部に所属する多くの選手の保護者がこの学校の卒業生ということもあり、応援にも力が入っています。
そのなかでも、30年ぶりの出場を目指す息子と元球児の父親に密着しました。
那覇商業 花城想来選手「本当に苦しい時支えてくれた人は誰だったでしょうか話を聞いてくれた人は誰だったでしょうか。自分を支えてくれている人、応援してくれている人、一人ひとり顔をイメージしてみてください」
夏への夢を思い浮かべ、イメージトレーニング。水球部が行っていたものを練習前に今年度から取り入れ、チーム全体で士気を高めます。
那覇商業 國仲佐助選手「最後の夏の大会で一戦一戦勝ち上がって優勝して、この仲間と甲子園行くことです。そのために日々の練習から意識高く、練習に取り組んでいきたいと思います。以上です」
一冬を越え、ピッチャー陣は充実。平良隆之介や上村碧威などの3年生を中心に、先月から本格化した練習試合で手ごたえを感じています。
一方、今年の春の大会では1回戦で宮古と対戦し、延長タイブレークでサヨナラ負け。バッティングでは「あと一本」が出ず2得点に終わり、チャンスを生かす打撃が課題です。
那覇商業 池原常煌(ひろあき)選手「4番を任されているので、チャンスでしっかり返せる打撃を意識して練習に取り組んでいる。自分のバッティングでチームを勝たせられるような打者になりたい」
そして、今年は甲子園への思いを強く抱く理由があります。1994年、春夏連続での甲子園出場から30年の節目を迎えました。
初めての出場となった春のセンバツでは1回戦で敗れましたが、夏の甲子園は初戦となった2回戦で横浜に4対2で勝ち、待望の1勝。しかし、それ以来30年間、甲子園からは遠ざかっています。
セカンドを守り、安定感のある軽快な守備が武器の外間琉心。打撃では、1番や2番などの上位打線を担っています。
那覇商業 外間琉心選手「ヒットゾーンに打てるので打率が高い。パワーがなくて長打が出ないのでランナーを返す一発を打つことが課題」
練習が終わった後の個人練習、高校入学の時にバッティングが課題と認識していた外間くんは、ネットに向かってひたすら置きティー。日が暮れても自分の納得がいくまでバットを振る日々を続けてきました。
那覇商業 外間琉心選手「とても成長につながっていると思う。技術が上がるというより最後の大会で全部出し切るという気持ちで準備している」
父・亮太さんは、1997年に卒業した那覇商業の元選手。3年の夏は琉心くんと同じ1・2番のサードで活躍しましたが、沖縄大会準決勝で前原に敗れ、甲子園出場は叶わず。その後小学生チームの監督を長年務めている亮太さんは「自分を超えてほしい」という思いを息子の琉心くんに託しています。
小さい時からよく一緒に見てきたのは、亮太さんが3年生の時の夏の大会のDVD。またある時は琉心くんが出た試合の映像を見て、アドバイスを送ったり、喝を入れたりしてきました。
琉心くんが高校生となった今では、小中学生時代と違い、技術よりも気持ちの部分でアドバイスを送ると言います。
那覇商業OB 外間亮太さん「比べちゃうとまだまだ足りないよともっとがむしゃらにアグレッシブにやれよと言うんですけど、今の代で言うと、高校野球感は出てきているんじゃないですか?」
物心がついた時から、常に憧れを持っていたのは甲子園。お父さんと同じユニフォームで、お父さんを超える。強い目標を胸に戦う最後の夏の大会が近づいています。
那覇商業 外間琉心選手「昔から映像とかで見ていたので今立っているのはすごいなと思う。昔から見ていた場所というのがもうここまで来たんだなという感じ。甲子園行くから最後までずっと応援お願いします」
那覇商業OB 外間亮太さん「期待しています」
世代を越え、思いをつなぐ親子。30年ぶりの甲子園出場を目指して夏に向かいます。
那覇商業 田崎和選手「日頃から声出しで甲子園と目標として掲げているので、しっかり夏は全員引き締めて頑張っていきたい」
那覇商業 外間琉心選手「お父さんの夢を自分が叶えて、すごいなと最後思わせたい」
「甲子園行ちゅんどー!」
お父さんが、先輩たちの背中を追いかけて成し遂げられなかった甲子園出場の夢を、今度は息子が引き継ぐ形になっています。ぜひ、頑張ってもらいたいですよね。
きょうから始まりましためざせ甲子園・出場校紹介ですが、あすは「宜野座高校」です。